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駿佑が仕事へ出かけた。
ドアが閉まる時に言った " 愛してるよ " は聞こたかな。
そう、今日私はこの家を出る。
駿佑に、危害が及ぶ前に。
駿佑のファンの方達を、これ以上悲しませないために。
時間はあるから、ゆっくりと荷造りを始めた。
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途中で駿佑と撮った写真が沢山出てきて思い出に浸っていると開始から5時間も経っていた。
荷造りも終えたし、もう本当にさよならだ。
『今までありがとう、駿佑。』
誰もいない部屋で1人呟き、家を出た。
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新しい住居が決まるまでホテルにいることにして、早速チェックインを済ませて部屋に入る。
その時、大ちゃんからの着信がきた。
とりあえず荷物を置き、ソファに座って通話ボタンを押す。
『大ちゃん?』
大吾「あなた、明日の仕事なんやけど午前だけで終わることになったんよ、その連絡。」
『あぁ、了解。ありがと。』
電話を切ろうとした時、駿佑からのキャッチが入った。
その瞬間に、頭にはり巡る駿佑との思い出。
彼の笑顔に優しい声。
少し生意気なところ。
全てが鮮明に思い出され、私の涙腺を崩壊するのには十分だった。
『駿佑っ…、』
大ちゃんとの電話がまだ繋がっているにも関わらず、私は声を出して泣いた。
だいぶ時間が経って、やっと涙がおさまって携帯を見ると大ちゃんとの通話時間が1時間を超えていた。
『…大ちゃん?』
大吾「泣き止んだ? あなた、道枝さんと何かあったん?」
その質問に、返す言葉を迷ってしまう。
大吾「あ、いや無理には聞かんよ?!話しずらいなら話さんくていい。けど…今すぐにあなたを慰めに行ったら、あかん、かな…?」
無理に話さなくてもいいと言うところが何とも大ちゃんらしい。
慰めに、か。
確かに今大ちゃんが来てくれたら、気持ちは落ち着くかもしれない。
だけど、それは大ちゃんを利用していることになるんじゃ…?
『大丈夫、ありがとう、ごめ 「利用してや。」 …え?』
大吾「あなた、俺を利用して。それでも俺は構わん。少しでも…あなたの隣にいれるなら、俺は利用して貰ったって全然いい、むしろ…お願い。」
最後の声は、彼の切ない気持ちがぎゅっと詰まっているように聞こえた。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。