第2話

再会
32
2020/12/12 04:54
浜田望
浜田望
先輩!先輩!大丈夫ですか?
この子はずるい。

クリクリな目を向けて少し上目遣いでそんなことを

言われたら誰でも恋に落ちるだろう。


でも私は元彼のことが忘れられないので全然効かない。


橋本冬華
橋本冬華
はぁ、、
何回目かも分からないため息をついて私はまたちびちびとお酒を飲んでいた。
浜田望
浜田望
ストーップ!先輩!もうダメです!
橋本冬華
橋本冬華
え〜!
なんて言いつつも、私ももう飲める気がしなかった

ので、そこでお酒を飲むことをやめた。


その後の記憶はあまりなくて、12時前には解散になった。


その後どうしてか家の前の道を歩いていた。



そこで突然ふらっとして地面に座り込んだ。




その時頭上から
??
??
大丈夫ですか?
どこかで聞いた事のある声に私は勢いよく顔をあげた。
橋本冬華
橋本冬華
たか、、ひ、ろ?
柊崇裕
柊崇裕
冬、華、、?
正直びっくりした。


まさかこんな所で彼に出会えるとは思っていなかったから。


柊崇裕
柊崇裕
久しぶりだな
橋本冬華
橋本冬華
久しぶり
柊崇裕
柊崇裕
酔ってるんだよな?大丈夫か?
橋本冬華
橋本冬華
だいじょ…ぶ…。
柊崇裕
柊崇裕
その表情大丈夫じゃないときの顔じゃん笑
橋本冬華
橋本冬華
ごめん…。
柊崇裕
柊崇裕
家まで送って行こうか?
私は迷ったけど、1人じゃ歩けそうもないので、
橋本冬華
橋本冬華
お、願いし、ま、す。
柊崇裕
柊崇裕
お願いされます笑
優しい声と表情でそう言って笑ってくれた。




彼と歩く見慣れた帰り道。





何かが始まりそうで、胸の高鳴りがおさまらない。






でもそう思っていたのは私だけだった。






ふと会話の流れで、
橋本冬華
橋本冬華
崇裕って今彼女とかいるの?
柊崇裕
柊崇裕
いる
顔を伏せていて表情は見えなかったけど、その言葉

は私にとっては辛い現実だった。





私は忘れられないのに、彼はもう別の人と恋をして

いるんだと思うと悲しい気持ちが溢れ出てくる。




橋本冬華
橋本冬華
そ、そうなんだ。どんな人なの?
柊崇裕
柊崇裕
えっ…と…優しくて、気が使えて、可愛いらしい子かな?
橋本冬華
橋本冬華
そうなんだ。いい人そうだね!
口ではこんなことを言っているけど、正直泣きそう

で、想いが溢れ出そうだ。




〝今でも好き〟









こんなことを言ったら彼は困るかな?









その時




浜田望
浜田望
先輩!どこ行ってたんですか?探しましたよ!
橋本冬華
橋本冬華
浜田くん…
そうか、浜田くんに送ってもらってたのか、、、




浜田望
浜田望
その人誰ですか?


浜田くんからは聞いたことがないような低い声が聞こえた。



橋本冬華
橋本冬華
あっ!え〜っと〜、、、


私が言葉につまっていると、
柊崇裕
柊崇裕
元カレです。


と彼が説明した。




〝元〟か…





そうだよね。




彼にとっては私なんてただの元カノ。




もうどうでもよくなっちゃったかも…




橋本冬華
橋本冬華
浜田くん!送ってくれてありがとう!じゃあ私ここでいいから!バイバイ!
私は急いでこの場から立ち去ろうとした時、
柊崇裕
柊崇裕
ちょっと待って!
橋本冬華
橋本冬華
えっ?


突然彼に止められた。

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