第6話

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2025/11/25 07:46 更新

◆会合 — 表と裏が同時に動く場

長い黒テーブルを囲んで座るStray Kids。
エイクが議長として前に立ち、淡々と資料を読み上げる。

だが、Stray Kidsの視線は自然とあなたの方へ向かう。
あなたは横席で静かに資料をめくり、要所で短く頷くだけ。
しかし、その頷きや指先の動きが“真の進行役”だと全員が理解している。


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エイク
「まず、共同プロジェクトの進行状況について報告します。
 ステージ演出案は、こちらの案でほぼ固めてあります」

エイクは資料にある“提案A”を指す。
だがあなたはページの“B案”に視線を落とし、ゆっくりと指を滑らせた。

それを見たバンチャンの表情がすっと変わる。

バンチャン
「僕たちとしては……Bの案が現場に合ってると思うんだけど、どうかな?」

あなたは小さく頷く。

エイク
「……承知しました。ではB案を正式採用とします」

周囲のスタッフは
(Stray Kidsが言ったから変えたのかな?)
と表向きに思うが、

実際は
あなたの一つの視線 がその判断を生んでいた。



今回の会合の核心。
最近、恵比寿周辺で怪しい動きがあり、
Stray KidsとICEx/Lienelの安全に関わる問題があった。

エイク
「セキュリティ強化の件についてですが――」

説明を始めたところで、あなたがそっと手を上げた。

エイクはぴたりと言葉を止める。
Stray Kidsも、少し前のめりになる。

あなた
「……今回の件、気になってるのは“動きの早さ”です。
 こちらの情報網の外側から、意図的に位置を探られている」

ヒョンジンが眉をひそめる。

ヒョンジン
「誰か、内側の情報を知ってるやつがいるってこと?」

あなた
「断定はしない。でも“知っているかのように動いているやつ”がいる」

エイクが補足するように言う。

エイク
「あなたが見つけたパターンです。こちらでも裏を取っています」

Stray Kidsは一気に空気を引き締めた。
あなたがセキュリティの話にここまで踏み込むのは“本当に危ない”時だけだからだ。


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あなたが席に戻ると、リノが丁寧な口調で言う。

リノ
「あなた、その……俺たちはどう動けばいい?
 本番の日程、変えた方が安全?」

リノは表向きエイクに聞くべき質問を、
あえてあなたに向けて聞いている。

あなたは一拍置いて答えた。

あなた
「予定はそのままでいい。
 ただし、当日の導線は私が組む。
 あなたたちは“合図だけ”見ていればいい」

バンチャン
「了解。あなたの合図は絶対だ」

あなたのわずかな笑みで、空気が少しだけ柔らかくなる。


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エイク
「では、本日の会合は以上となります。
 各自、確認事項は後ほど共有いたします」

エイクが会合を締める声の裏で、
あなたはStray Kidsの方にわずかに指先を動かす。

“あとで裏の話があるから残って”
というあなた流の合図。

Stray Kids全員が自然に頷く。

スタッフにはバレない。
でも、彼らだけは確実に気づく。

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