なんで
分かったんだろう
この話の流れは
彼が嘘をつく事はないと思う
だからきっと
種族の事や嘘をついていた事は本当に
バレていなかったのだろう
これといった理由は
私には無かった
ただ , バレたくない
これだけの私情で隠していた
寝転ぶ私の隣にエルヴィンは来て
隣に腰を下ろし座った
普段よりも落ち着いた___団長では無く ,
1人の人間としての声だった
貴方はきっと
その奪還成功後 ,
当たり前のように自分が生きていると
心のどこかで思っているんでしょ ?
けどそれは間違いなんだよ
未来をしって足掻いた上での
あの未来だったとしても
私は変えてやる
エルヴィンが死ぬ未来なんて絶対に嫌だ
いつまでも私は
子供のままだなぁ … 笑
いくら考えてもやっぱり思っちゃうんだ
勝利よりも失った物が大きすぎる …
目をつぶって話していた
どこを見ればいいか分からないからだ
聞かれたことに答え終わって顔を横に傾ける
目の前には青紫色の花
全く気づかなかった 、
寝転がって地面と平行にならないと
気付かなかったんだ …
伸びをして勢い任せで起き上がる
手前の花は茎が折れていて
それでも他の草花に支えられ
地面から咲いているように見えた
折れているとは思わないほどに花びらは綺麗で
とても美しかった、
そっ _____ と ニゲラを彼の耳にかけた
控えめな青と金髪って
めちゃくちゃ相性いいなぁ、
なんて考えていると
声がかかった
だって白は何色にでもなれる
だから私は白が好き
普通に好きだと言える理由はあるけど
やっぱり私はその印象が強い
エルヴィンは左手で
私の髪にカスミソウをのせた
私がさっき彼にしたように
同じやり方で耳にかけた
花をのせてすぐ
腕を引かずにそのままで
髪も巻き込みながら頭を撫でた
2人揃って立ち上がった
来た時とは違って
ちゃんと太陽が登っていた
たった数十分 ,
短時間でも空は変わる
『 約束だよ 』
ケニーに言われた時
ちゃんと心当たりがあったし
奥底をつかれたようにドキッとした
そりゃあ 酔っていないと
こんな残酷な世界では生きていけないでしょ … 笑
♡50 NEXT
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!