朗らかな紬の声が、私の心をますます奮い立たせてくれる。
今日は四季にいいところ見せて、軽音部の繁栄を目当てに来たも同然!
本当に晴れてよかったところ、つくづく思う。
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私も体が柔らかい方ではあるので、加点目指して、曲に合わせて軽やかに行う。
あんまりしなやかにやり過ぎても駄目らしいし…
とても短い時間で体操が終わり、なんだか物足りないような感じもしたが、次の競技に気持ちを切り替えなければ。
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そんな話をしていると、大きな音が聞こえた。
驚いて振り返ると、どうやら四季が一番に競技の風船割りをしているようだ。
そうこう紬が言っている内に四季はバットを手にし、回り始める
何回か回り終えた後、四季は立ち上がれずに地べたに座り込んでしまった
このままでは、一位の座が…四季が、……
気づいたら大声をだして四季を応援していた
驚いて顔を上げた四季がこちらを見る
顔面蒼白としていた彼の顔が、みるみる内にほころんでいく
そして、立ち上がった
いつもは軽音部として活動している時にしか基本大声が出ない
なのに、なぜだか今回は違った
四季のためにと思って大声を出した。
でもどこかに、…私の我儘も含まれているのかもしれない
何故?
頭の中を沢山の疑問が駆け巡る
そこから深く考えていたのか、気づいたら教室の椅子に座り、自分たちの出番が来るまで待機していた
四季の優勝を知ったのは、後々の紬の話からだった
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また気づけば、もうリレーのスタートラインに立っていた
はっと我に帰った私は、手や足を軽く振って、準備体操をする
あとは先生のピストルが響くだけ
今日は高校生活最後の体育祭だ
決して後悔なんてしたくない。
前日までの雨で、校庭の地面は湿ってこそいるが、そう大したしたことはないだろう
靴紐良し、呼吸良し、体のコンディション良し。
今日も習慣化されたチェックをして、白線で待機をする
先生が、「よーい」と声をかける
足を後方に引いて、息をすぅっと吸い込む
軽いピストルの音が鳴り響く
足で地面を目いっぱいに蹴り上げて駆け出す
よし…今のところ一位のようだ
2位との距離もかなりあるから、このまま行けば一着でゴールする
ゴールテープだけをみて常に走る。
あと少し…あと100m……
その一瞬で体が後ろに引いた。
誰かに引っ張られたと思うほどだ
膝の辺りに強い痛みを覚える
そう思った時から私はもう諦めていた
だから私は、ただただその場で泣いた。
体の水が全部抜けてしまうほど、泣いて泣いて、泣きじゃくった
リレーが終了してもなお私は泣き続けるので、とうとう先生達が私を持ち上げて保健室まで連れて行ってくれた
私は、意気地なしな私が大嫌いだ
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膝が痛いのもそうだが、とにかく気分が乗らない
紬が慰めたり、いろいろしてくれたが、何も私に響かない
紬に迎え入れられ、四季が教室に入ってくる
その優しい言葉が、頭に響く
痛い…
とっさに口からその言葉が出てしまった
あとからしまったと思った。
が、顔を慌ててあげた頃にはもう四季はいなかった
さっきまで痛くて痛くて仕方なかった膝よりも、今は心の方が痛いと、深く深く後悔した。
もう、遅いのに















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。