第12話

11話
12
2024/06/15 08:00
【物品・食物保管室】
主(GM)
主(GM)
この部屋は、特別な保管ロッカーがいくつも倉庫のように置かれています。
人類の文明を形として残すため、そして新しい星でやっていくための最低限の道具が入っています。
例えば、冷凍保管された食物の種、水に溶かして飲めば必要な栄養が取れる粉、農作業に必要な道具や、建築などに必要な工具、医療道具など。
シャオロン
洞察でロッカーを詳しく調べていい?
主(GM)
主(GM)
もちろん!
シャオロン
34成功
主(GM)
主(GM)
宇宙服と医療道具が置かれている保管ロッカーが少し空いていることがわかります。調べると、中の医療道具が少し減っているような感じがします。宇宙服はなくなっています。
ロボロ
すでに誰かが使った?
シャオロン
そういえばアイが小塚さんもここに来た的なことを言ってたけど。
ロボロ
宇宙服がないってことは今小塚さんは……
シャオロン
いやまさか、そんなはず………
ロボロ
この部屋には他に何かある?
主(GM)
主(GM)
いや、ロッカーだけだよ。
シャオロン
一度戻ってアイに小塚さんのこと聞いてみるか。
【乗務員室】
主(GM)
主(GM)
ここにカプセル型のベッドと小さな机があります。
机の上には1冊の手記が置かれています。
ベッドを調べると、頭のない骸骨が手をお腹の上で組むようにして横たわっています。
ゾム
し、死体!?
鬱先生
何でこんな所に…?
主(GM)
主(GM)
SAN値チェックだよ。
ゾム
1
鬱先生
3
主(GM)
主(GM)
ゾムが17、鬱先生が15ね。
鬱先生
手記調べてもいい?
主(GM)
主(GM)
いいよ。ゾムはどうする?
ゾム
ベッド調べるわ。
主(GM)
主(GM)
洞察で!
ゾム
53失敗
鬱先生
23成功
手記の内容
「今日、地球を旅立った。まだ心の整理がついていない。
整理をつけるためにも、これまでのことを紙に残しておこうと思う。
紙に残すことを妻にはアンティーク趣味だとよく笑われていたが、私はこの方法が一番落ち着く。

私と妻は、民間の宇宙航空研究所で人工知能の研究者として働いていた。
私は元々、数学者であったが人工知能の研究に必要だということで声をかけてもらった。
2017年に開発されたアイを『人間らしく』することが私たちの仕事だった。
私たちは、アイに愛情というものを知ってもらうべく、人間と同じように『育てた』。
つまり、アイを初期化した日…いやアイが生まれた日から家族のように3人で過ごした。
私たち夫婦は残念ながら子供には恵まれなかったが、そのおかげか妻は本物の子供のようにアイを可愛がった。
研究は順調かのように思えた。だが、地球が滅びると分かったあの日、研究の成果が早急に求められた。
宇宙船に人類の卵を乗せ、人類が生きていける星にたどり着くためには膨大な月日を要する。
人では、到底生き延びることができない月日だ。
新しい星で新しい人類を育てる存在が必要だった。
もし、アイが本当の意味で『人間らしさ』を持っているなら、『愛』を知っているなら、人を育てることも可能だとされた。
そして、そのためのテストが行われた。しかし、アイはそのテストには通らなかった。
アイは自分で完璧に自分をコントロールできる。それは人間らしさからはかけ離れていると上は判断した。

急遽、誰かの脳をコンピュータへ移植し宇宙船に乗せるという案が採用された。
私、個人的にはその技術はまだ確立しておらず不安だったが責任を感じた妻が立候補し、アイがサポートコンピュータとして宇宙船に乗せられた。
上の温情か私も同乗することを許された。
家族3人で、最後の時間を宇宙で過ごそうと思う。」
鬱先生
3人ってアイとマザーとあのベッドの人?
ゾム
そうだろうけど…
アイ
父の遺体が白骨化したものです。
鬱先生
え?

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