第8話

『❤️‍🔥』
1,008
2025/07/29 06:29 更新


















2年前。













少し…いや、結構色々あって…家から追い出された私は、空腹を抑えながら街を練り歩いていた。












目的地はない、ただ止まってしまえば終わりだと思った。











街の裏路地には不良達が屯っており、身を隠す所もなかった。










人間である以上、空腹を抑えるのには限界がある。腹の虫が鳴り止まず、意識が朦朧として倒れそうになった時、地面に落ちる衝撃はなく、ふんわりとした香水、しっかりとした肉付きのある体に抱きとめられていた。












人肌に触れ、安心したのか、緊張していた身体から力が抜け、そのまま意識を手放した。










あなた
……?!どこ、ここ…
目を覚まし、部屋を見渡すと整えられた黒と白を基調とした部屋が広がっており、黒色の棚には香水がずらりと並んでいる。
あなた
綺麗な部屋。
ベットのすぐ横にある窓を眺めると、街を一望できかなり高い部屋にいるのだと気づく。
ドアの向こうから甘い香りが立ち込める、空腹には逆らえず、ベットから抜け出し甘い香りのするリビングへと向かう。
あなた
……あの…
リビングへと続くドアを開けると、甘い香りと共にテーブルに座ってる炎のような髪をした人と目が合う
焚石矢
……
あなた
…?
焚石矢
おい。
棪堂哉真斗
お、どうした焚石?
焚石と言う人が私に指を指すと、キッチンから癖毛でスっと上がった目尻、身体にはタトゥーが刻まれており一見、怪しい人だと思うだろう男の人が覗く。
棪堂哉真斗
おー!起きたか、腹減ってるだろ?今、飯作ってっからよ、ソファに座って待っててくれ
綺麗な目をした男の人は、私の前に屈んで頭を撫でてニコニコとしながら、ソファに座るよう促す。私はソファを一瞥し、小さく頷く
あなた
……
しばらく待っていると、テーブルに料理が並べられて、手招きをされてテーブルへと向かう。
棪堂哉真斗
朝飯っつぅか、昼飯だな。遠慮せず食えよ。
腹、減ってんだろ?
あなた
ありがとうございます…その、どうしてウチにこんな。
棪堂哉真斗
ん〜?気分良いから、かなぁ?
あなた
気分…ぁっい、いただきます…
棪堂哉真斗
ん、いっぱい食えよ〜
ふわふわのフレンチトーストにフォークを刺すと、ジュワっとしみていたバターが溢れ食欲をそそられる。
一口、口に入れれば甘さが口の中へと広がる。目元が熱くなり視界が潤む。
あなた
ッ…おいッ…しい…です…
焚石矢
……
棪堂哉真斗
んな、泣くほどかよ。ま、美味いってんなら、作ったかいがあったわ
涙ぐみながら、食べていると前に座っていた炎のような髪をした男の人が傍に寄り、頬を掴まれる
あなた
ッ!
焚石矢
泣くな。
あなた
へ……
焚石矢
……誰がお前を泣かせた。
あなた
ぇ…すみ…ません…も、もう…泣きません…から…
そう言うと、掴まれていた頬から手を離し、外に出て行ってしまった。
あなた
……?、?
棪堂哉真斗
へぇ、焚石が相手を心配するなんてな。
あなた
焚石、?
棪堂哉真斗
あーアイツは焚石矢つっーんだよ。邪魔されんのが嫌いだから余計な事すんなよ?殴られたけりゃな。
あなた
焚石さん…あ、あの!あなたは…
棪堂哉真斗
あ?オレ?オレは棪堂哉真斗。お前、訳アリだろ?手は出さねぇから、落ち着いたら帰れよ?
あなた
棪堂…さん…
えっと…ウチ、帰る家はありません…
棪堂哉真斗
んじゃぁここに帰ればいい、焚石もお前のこと気に入ってんだ、殴られねぇよ。
あなた
ぇ…だって、そんな…ウチ何も
棪堂哉真斗
オレと焚石がいいっつってんだ、行く所も帰る所も無けりゃここに居ろ。
あなた
ッありがとう…ございます…!










これが棪堂と焚石との出会い。












それから1年が経つと急に、すまねぇが一人暮らしをしてくれ、と言われ家具一式揃えられて、流れのまま一人暮らしするようになった。












理由は今でも分かっていないが、あの2人に女が居てもおかしくないし、棪堂がそう言ったのならそうする。初めて会った時から、棪堂にはどっぷりと惚れていた。




























しばらく過去が続きます🙏













𝕋𝕠 𝕓𝕖 𝕔𝕠𝕟𝕥𝕚𝕟𝕦𝕖𝕕︎︎𓂃⟡.·
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