第6話

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2020/03/12 06:29
あなたside
夜、いつも通り布団を轢いて、歯を磨いていると
廉の姿が見えないことに気がついた
あなた「廉?」
名前を呼んでも出てこなくて。
もしかしたらもう消えちゃったのかななんて思った
ずっと居るって言ってたのに
暑いからと開けっ放しにしていたベランダから風が入ってきて、覗き込むと廉がベランダに立っていた
あなた「ここにいたんだ」
廉「おん。…星、綺麗やな。今まであんまり見てこなかったけど」
あなた「そうだね。でも、田舎に行けばもっと綺麗に見えるよ」
廉「あなた田舎出身やもんな(笑)」
あなた「そーだよ(笑)さすがに田んぼとかは無かったけどね」
廉「なあ、どれだけ生きるのが辛いって思っても、死んだらあかんで」
あなた「急に?」
廉「急やけどさ。俺死んでから後悔することばっかやねん。あなたにはそんな思いして欲しくなくて。」
あなた「そっか。…本当のこと話すとね。私、廉が死んじゃってから生きる意味なんて無いって思ってて。だから、早くあの世に行きたいって思った。」
廉「そ…うなん、や…」
あなた「でもね、廉が怒るんじゃないかって思ったの。自分で死んじゃったら天国なんて行けるわけないし。なら、私が廉の分まで生きて、幸せにならなきゃなって思って。」
廉「それ、正解やわ。…もし、そのまま死んでたら怒鳴ってたで?」
あなた「うん、分かってる。ごめんね、廉。生きていたくても亡くなっちゃう人もいるのに、そんなこと考えて。命は大切にしなきゃね…」
廉「そーやでぇ(笑)…そろそろ寒なってきた。寝よ?」
あなた「うん。ねえ、廉」
廉「んー?」
あなた「大好きだよ」
廉「俺も。」
この時私は廉の耳が真っ赤になっていることに気づいていた(笑)
あなた「かーわいっ」
廉「なんやて?」
あなた「んふふ(笑)なんでもなーい。おやすみ!」
廉「ほんま意味わからん(笑)おやすみ、あなた」

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