ここ最近痣が増え続けているせいか体が思うように動かず、
マサイはストレスが溜まりっぱなしだった。
何か気休めになる言葉をと探すも全くわからず結局何もできない。
マサイは、私にあたることも増えてきて
シルクやモトキと大喧嘩になることもあった。
あの時と同じように。自分にそうであったように。
マサイの頭に手をおいて、撫でようとする。
しかし、その手は払い除けられてしまった。
痣をさすりながら、マサイは怒鳴った。
冷ややかな眼が私には痛くて。辛くて。
優しい眼のマサイはもういない。
でも、私が我慢すれば。
きっと治って戻ってきてくれるんだ。
マサイを治すには、心のダメージストレスを減らさないといけない。
ストレスがたまらなければ、痣も増えない。
ストレスの無い日常を、なんていうのは無理だけど
増えた痣は、減らせるから。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!