岩・これでよしっ!
あの後、家に帰ってきた俺は寝てしまったたつやをベッドで寝かせた。康二は定期的に家にくてくれるらしい。
岩・まずは起きた時ように説明書を読んでおくか…
説明書の内容
「プランツドールの食べ物について」
プランツドールは、基本的に人間と同じものは食べることは出来ません。食べることができるものは飴とミルクになります。
1食に対し、飴を2粒とミルクを200ml与えると生活できます。場合によってはもっと与えても構いません。
※飴とミルク以外のものを口にしてしまうと、耐え難い痛みがプランツドールを遅い、修理することで本物の人間になります。
岩・飴とミルク!?しかも少な!これでいいの…?
とりあえず家にはあるからいいけど。
本物の人間…とりあえず気をつけなきゃ!
それから説明書を読み進め、準備出来ることを終わらせていく。
岩・流石に寝すぎじゃないかな?もう4時間はたって
る!起こしに行くか…
そう寝室に向かうと、そこには部屋の隅っこで丸まっているたつやがいた。
岩・たつやどうした!!暗かった?寒かった?
辰・ブルブルカタカタ
岩・もしかしてなにかこわい?俺が怖いかな?少し離
れようか…?
そう言い俺が離れようとすると、たつやはダメっ!というように俺にくっついてきた
岩・うわっ!どうしたのたつや
辰・……
岩・もしかして…寂しかった?
辰・…コクン
岩・!!
岩・(そうだよな、目が覚めたらいつもと違う風景で
誰もいなかったら不安になるよな)
岩・たつや、ごめんな。俺が大切にするって決めたの
に最低だよな。不安にさせてごめん
ゆっくりでいいからさ、ちょっとリビングに行っ
てみない?俺以外誰もいないから大丈夫
辰・!コクン
岩・ありがとうw
ゆっくりとたつやと手をつなぎながら1階のリビングに向かう。手は人形とは思えないほどに温かい。
岩・たつや!改めて家に来てくれてありがとう!せっ
かくの記念にご飯食べない?
辰・コクコク!!(喜びを体で表現)
岩・www大丈夫、ゆっくりゆっくり、食べ物は逃げな
いから落ち着いて
ウキウキとした様子のたつやは早く早く!というように椅子に座った。
…もう少し小さい椅子買わなきゃ
岩・はいっこれ飴!どの色飴がいい?
辰・…!
たつやが選んだ飴玉は薄紫色と、黄色だった。
岩・お!これでいいの?他にも赤とか青もあるよ!
辰・コクコク!
たつやは迷いもなくふたつの色を選んだ。黄色は俺のメンバーカラーでもあるから実は嬉しかったりするw
岩・よし!じゃあたつやいただきます
辰・パチ!
手を合わせゆっくりと飴玉を食べ始めたたつや
その表情はまるで幸せを噛み締めるような、天使のような、そんな表情をしている。
辰・コロコロ…ニコッ!
岩・!!(いやまじで可愛すぎだろ!?そんなに幸せ
そうな表情するの!?それでこの表情毎食
見れるの!?)
たつやはミルクもしっかり飲みきって、またごちそうさまでしたっというように手を合わせた。
俺はさっきのたつやの表情を思い出し、きっと顔面がファンの人には見せられないほどに溶けているだろう。
ふと、さっきの説明書に目をやると、端っこにこんなことが書かれていた。
「プランツドールは、食事をする時に世界で1番幸せそうな顔を見せます。表情見たさに食べ物を与えすぎないようお気をつけください。」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。