第8話

第7話 陰謀の影
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2026/02/11 12:21 更新
体育祭が終わり平穏な日常が戻ってくることを願っていた私。

しかし、現実は、そう甘くはなかった。

次の日からまた、嫌がらせが始まったのだ。

教科書が破られていたり、机の中にゴミが入れられていたり、陰口を叩かれたり。

私は、心が折れそうになりながらも毎日、学校に通っていた。

(もう、どうしたらいいんだろう…)

私は、途方に暮れていた。

そんな時、瑠奈ちゃんが深刻な表情で私に近づいてきた。
三崎瑠奈みさきるな
ねえ、彩桜ちゃんのこと嫌がらせしている犯人、分かったかも…
瑠奈ちゃんの言葉に私は、息を呑んだ。
水瀬彩桜みなせ さくら
えっ…?
三崎瑠奈みさきるな
隣のクラスの女子生徒みたい
瑠奈ちゃんは、小声でそう言った。

その女子生徒の名前は、朱音ことねちゃんというらしい。

水瀬彩桜みなせ さくら
朱音ちゃん…?
私は、首を傾げた。

朱音ちゃんのことは、名前くらいしか知らなかった。
三崎瑠奈みさきるな
クラスの女子生徒が朱音ちゃんの話しをたまたま、女子トイレで聞いたんだって
瑠奈ちゃんは、続けた。

その女子生徒は、朱音ちゃんが取り巻きの女子生徒たちと私に対する悪口を言っているのを聞いてしまったらしい。

さらにその会話をこっそりと録音していたという。

瑠奈ちゃんは、スマホを取り出し、録音データを再生した。

「あいつさマジ、ウザくない?」

朱音ちゃんの声がスマホから流れてきた。

「あ、水瀬のこと?」

取り巻きの女子生徒の声が聞こえる。

「そうそう。黒瀬くんと吉川くんにチヤホヤされてさ! 付き合ってないのに付きまとうなよな! うっざい」

「それな! みんなの駿くんと朔くんなのに!」

取り巻きの女子生徒たちが同意する。

「昨日の画鋲は、傑作やったわ」

朱音ちゃんの声が再び、聞こえてきた。

「だよね!」

取り巻きの女子生徒たちが笑う。

「…次は、何して嫌がらせしてあげようかな?」

朱音ちゃんの声がケラケラと笑った。

録音データが終わると瑠奈ちゃんは、スマホをしまった。

私は、信じられない気持ちで、いっぱいだった。

まさか、同じ学園内の生徒が自分にこんなにも悪意を抱いているなんて思ってもみなかった。

三崎瑠奈みさきるな
彩桜ちゃん、どうする? 黒瀬くんと吉川くんに伝える?
瑠奈ちゃんは、心配そうな顔で私に問いかけた。
水瀬彩桜みなせ さくら
うーん…
私は、悩んだ。

(黒瀬くんと吉川くんに伝えたらきっと朱音ちゃんに何かするだろうな…)

(でも…二人に心配かけたくないし…)

私は、どうすればいいのか分からなかった。
水瀬彩桜みなせ さくら
大丈夫だよ。 

黒瀬くんと吉川くんに話したら何されるか分からないから言わない
私は、そう決意した。

(これでいいんだ)

自分に言い聞かせるようにそう思った。

黒瀬くんと吉川くんに朱音ちゃんのことを伝えたらきっと二人は、朱音ちゃんに何らかの報復をするだろう。

しかし、そうなれば、朱音ちゃんだけでなく黒瀬くんと吉川くんも傷ついてしまうかもしれない。

(…二人にそんな思いをさせたくない…)

私は、そう思った。

(…二人に被害が及ぶくらいなら私が我慢すればいい…)

私は、自分を犠牲にすることを選んだ。

三崎瑠奈みさきるな
彩桜ちゃん…
瑠奈ちゃんは、心配そうな顔で私を見つめていた。

水瀬彩桜みなせ さくら
2人には、被害がない方がいいから
私は、瑠奈ちゃんに笑顔を見せた。
水瀬彩桜みなせ さくら
私が我慢したらいいだけだから
そう言い聞かせて私は、教室に戻った。

瑠奈ちゃんside

彩桜ちゃん…このままじゃあ、危ないよね。

彩桜ちゃんのことを放っておけない。

何かできることはないだろうか。

(そうだ…!)

彩桜ちゃんにバレないように黒瀬くんに連絡しよう。

瑠奈ちゃんは、スマホを取り出し、黒瀬くんに電話をかけた。
三崎瑠奈みさきるな
もしもし、黒瀬くん!
黒瀬駿くろせ しゅん
はい?
黒瀬くんの声が聞こえる。
三崎瑠奈みさきるな
彩桜ちゃんを嫌がらせしている女子生徒は、朱音ちゃんだよ!
瑠奈ちゃんは、小声でそう伝えた。
黒瀬駿くろせ しゅん
分かった朔にも言っておく
黒瀬くんは、冷静な声でそう答えた。
三崎瑠奈みさきるな
でも、2人とも彩桜ちゃんには、バレないようにね!
瑠奈ちゃんは、念を押した。
黒瀬駿くろせ しゅん
はぁ?
黒瀬くんが不思議そうに問い返してきた。

三崎瑠奈みさきるな
彩桜ちゃんは、2人に被害が及ばないように黙っているみたいだから
瑠奈ちゃんは、説明した。
黒瀬駿くろせ しゅん
分かった。
黒瀬くんは、納得したようにそう言った。

瑠奈ちゃんは、黒瀬くんとの電話を終え、スマホを握りしめた。

(黒瀬くん、吉川くん、どうか、彩桜ちゃんを守ってあげて…)

瑠奈ちゃんは、心の中でそう願った。

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