第7話

6話
60
2026/02/19 17:20 更新
(なまえ)
あなた
(あんなシーン、ゲームには無かった。
もしかしてシナリオが変わってる?
イレギュラーである私の存在が原因か……。
う〜ん……まぁ、いいか。
とりあえず、今は理事長室に……って、ここどこよ?)


考え事をしながら適当に歩いていたあなたは、ふと我に返り、辺りをきょろきょろと見回した。



すると、再び悲鳴が聞こえてくる。


(なまえ)
あなた
(ん?
この悲鳴は……)
歩二魁斗
歩二魁斗
ギャアアッきもいきもいきもいきもい!!
早くどっか隠れないと!
今度こそ死ぬ!!


聞き馴染みのある声の方へ進んで行くと、曲がり角で人とぶつかった。


歩二魁斗
歩二魁斗
ギャアッ!?
(なまえ)
あなた
あ、ごめんなさい。
大丈夫ですか?


ぶつかってきた少年は、あなたの顔を見るなり目を見開き、頬を赤らめた。


歩二魁斗
歩二魁斗
か……
(なまえ)
あなた
か?
歩二魁斗
歩二魁斗
かわいいぃぃいいい!!!
(なまえ)
あなた
(うるさ)
歩二魁斗
歩二魁斗
君、どこの子?
制服着てないってことは、新入生?
(なまえ)
あなた
いや、違いますけど……それより、なんか急いでたみたいですけど、大丈夫ですか?
ロミオ
ロミオ
フジくぅん……
歩二魁斗
歩二魁斗
ヒィッ!
そうだった!!
ごめんね、君!

そう言って、魁斗は急いで逃げて行き、近くの部屋に身を隠した。


ロミオ
ロミオ
ちょっと、そこのあんた
(なまえ)
あなた
あ、はい?
ロミオ
ロミオ
金髪のそばかすの男がこっちに来なかった?
(なまえ)
あなた
あー、あっちに行きました
ロミオ
ロミオ
本当だろうね?
(なまえ)
あなた
はい

あなたが頷くと、ロミオは、彼女が指した先へと向かって行った。












(なまえ)
あなた
……行ったよ


あなたが声をかけると、部屋から魁斗が顔を出し、きょろきょろと辺りを見回して出てくる。


そして、あなたに駆け寄り、ガシッと手を握った。


歩二魁斗
歩二魁斗
ありがとうぅぅ!!
君はおれの女神様だよォオ!!
(なまえ)
あなた
(泣いてる)
歩二魁斗
歩二魁斗
あっ、ごめんね!?
手なんか握っちゃって!
おれ、馴れ馴れしかったよね!?
(なまえ)
あなた
いえ
歩二魁斗
歩二魁斗
おれはフロストハイム2年の歩二魁斗。
きみの名前は?
(なまえ)
あなた
あなたです
歩二魁斗
歩二魁斗
あなたちゃんっていうんだね。
よろしく。
おれのことは、『魁斗』でいいよ
(なまえ)
あなた
魁斗くん、よろしく
歩二魁斗
歩二魁斗
そういえば、あなたちゃんって、この学園の生徒じゃないの?
(なまえ)
あなた
うん、違うよ。
いろいろあって、ここに連れてこられて……今、絶賛迷子中
歩二魁斗
歩二魁斗
あ、じゃあおれが案内してあげるよ。
この学園のこと、結構詳しいし〜?
(なまえ)
あなた
それは助かる。
それじゃ、理事長室までお願いします
歩二魁斗
歩二魁斗
任せて!


そう言って、ふたりは理事長室へと向かう。


魁斗がロミオに見つからないよう、遠回りしながら歩く。












しばらくして、魁斗が曲がり角を曲がった瞬間、突然、紫の瞳の男に背負い投げされ、ナイフを突きつけられ。


歩二魁斗
歩二魁斗
ギャアアアアアッギャアアアアアッ!!
死ぬ死ぬ死ぬ死ぬヤダヤダヤダヤダ!!!
俺まだディズネーでニコイチコーデしたことないの!
こんなとこで死ねねぇのォオ!!
ルーカス
ルーカス
おや?
ただの、人間……?


男は目にも止まらぬ速さでナイフをしまうと、
不思議そうな表情で立ち上がり、きょろきょろと辺りを見回している。


(なまえ)
あなた
大丈夫?
魁斗くん
歩二魁斗
歩二魁斗
た……助かった……?
あ、おれ……助かった……?
ルーカス
ルーカス
すまない!
怪我はないか?
少し見せてくれ
歩二魁斗
歩二魁斗
ああん!?
怪我してないわけねえだろ!?
今おれはケツと背中と頭と心が痛てえよ!!
ルーカス
ルーカス
申し訳ない……先ほど、逃げ出した「怪異」がこちらの方へ行ったと聞き……
歩二魁斗
歩二魁斗
はぁっ!?
「怪異」が逃げ出した!?
ルーカス
ルーカス
ああ。
ここの生徒たちが慌てているのを見かけたんだ。
それで、てっきり……
歩二魁斗
歩二魁斗
まじで言ってんの?
それ大事件じゃん!!
もうなんなんだよ今日!
次から次へと!!
ルーカス
ルーカス
まだ名乗っていなかったね。
俺の名前は、ルーカス・エラント。
親しい仲間には、『ルカ』と呼ばれているよ。
君たちの名前は?


突然、自己紹介を始めた彼に、あなたと魁斗も名乗る。















それから少し話して、なぜかルカも一緒に行動することになった。

しばらく歩いていると、ルカが何かを感じ取り声を上げた。

ルーカス
ルーカス
……っ、伏せろっ!!

それと同時に銃声のようなものが聞こえる。

歩二魁斗
歩二魁斗
ギャッ!?


周りには煙が舞う。

歩二魁斗
歩二魁斗
うぇっ、げほっ……目が、しみる……!
ルーカス
ルーカス
……っ、そこにいるのは誰だ!
ロミオ
ロミオ
やっと見つけたぁ。
フジくぅん!
もう逃がさないよ!
歩二魁斗
歩二魁斗
出たよ……まじでしつこいんだけどォオ!?
ロミオ
ロミオ
はぁ!?
なにその態度!!
あんたが闇雲に飛ぶから、わざわざこの俺が出向いてやってんだろぉ!?
歩二魁斗
歩二魁斗
うるせえ!
頼んでねえんだよ!!
ロミオ
ロミオ
大目に見てりゃいい気になって……その生意気な口、今すぐ閉じてやろうかぁ!?


ロミオは魁斗に向かってライフルを構えた。


ルーカス
ルーカス
…………


ルカは姿勢を低くし、静かにその様子を見据えている。













魁斗への借金取り立ての話が進む中、少し離れた後ろであなたはとあるものを見つめていた。


(なまえ)
あなた
(ベールが、床を這っている……)


「ヘーラーの蛇」であろうベールをしばらく見つめていると、ベールはこちらを向いて動きを止めた。

そして、それを拾い上げる。


ロミオ
ロミオ
ちょっと、あんた……
(なまえ)
あなた
はい?
ロミオ
ロミオ
その「ヘーラーの蛇」をこっちに渡しな
ルーカス
ルーカス
「ヘーラーの蛇」だって……?
さっき逃げ出した「怪異」じゃないか!
歩二魁斗
歩二魁斗
……ひぇ!?
え、ど、どゆこと!?
ロミオ
ロミオ
まさか、自ら俺の前に現れてくれるとはねぇ。
売ったらいい金額になりそうだ。
フジくん利息分、これで勘弁してあげるよぉ


そう言ってロミオがあなたに手を伸ばそうとした瞬間、ベールが輝き出し、指輪となってあなたの指に嵌った。


(なまえ)
あなた
え……
(なまえ)
あなた
(急展開すぎない?)
ルーカス
ルーカス
指輪に、変わった……?
歩二魁斗
歩二魁斗
え、なんで?
どゆこと?
ロミオ
ロミオ
ちょっとあんた、何したの?
(なまえ)
あなた
いや、何もしてませんけど……
コーネリアス理事長
コーネリアス理事長
あー!
やっと見つけました!!
(なまえ)
あなた
あ、理事長
歩二魁斗
歩二魁斗
今のうちに退散っ!
ロミオ
ロミオ
フジくん!
逃げんじゃ──
コーネリアス理事長
コーネリアス理事長
ルッチくん!
あなたのところの寮長の件で、話があります。
あとで理事長室まで来てくださいね!
ロミオ
ロミオ
……ちっ……
コーネリアス理事長
コーネリアス理事長
それから、あなたさん。
無事で良かったです!
あなたのこと、いっぱいい〜っぱい探したんですよ!?
(なまえ)
あなた
少し道に迷って……
コーネリアス理事長
コーネリアス理事長
それなら良かった。
「ヘーラーの蛇」が脱走中で危ないので、理事長室まで急ぎましょう!
(なまえ)
あなた
あー、あの、その事なんですけど……
コーネリアス理事長
コーネリアス理事長
どうしましたか?
(なまえ)
あなた
その「ヘーラーの蛇」なら、ここにいます
コーネリアス理事長
コーネリアス理事長
え?
(なまえ)
あなた
さっき突然、指輪に形を変えてしまって……


そう言って、あなたは右手の薬指に嵌る指輪を理事長に見せた。



コーネリアス理事長
コーネリアス理事長
ええええ!!??

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