朝 5:58
今日はtodoの撮影日だ。
上手く表情が作れるか心配だが、一度感情に流されるのは辞めた。あの場面をなんとかしてでも忘れる事にした。
僕はテーブルの上に置いてあったフランスパンを1つ食べながら今日のスケジュールを確認していた
スビニヒョンに抱えられた2人が出てきた。
とても眠そうだ。
何も知らない顔で挨拶をしようとした時、ヒュニンカイの首元に目がいった。
あの女の子に貰ったネックレスを付けていた。
動揺するな。冷静に…。
「どうして、僕が居るのに目の前でそれを付けるの…。」
そんな事を一瞬でも考えた僕はきっと子供だ。
正直ボムギュヒョンと一緒に居るといつもふざけていて疲れる…笑
でも今はボムギュヒョンのその元気が必要かもしれない。
ガチャとドアの閉まった音がすると同時に僕はあのヒュニンの首元を思い出し、咄嗟に下を向く。
_外_
…ヒョン僕が元気無いのを分かって言ってくれている…そうすぐに気づいた。
きっと、こうやって一緒に行こうと言ったのも
僕を元気付ける為だろう。
僕達は合流をした後、バスに乗り大きなプラネタリウムに着いた。
今回はプラネタリウムでの撮影だ。
僕は目の前の椅子に座ろうとすると…横にはヒュニンカイが居た。
周りが暗くなり、綺麗な曲が身体を包み込むように流れる。
ヒョン達がコメントをしている間、手に何かを感じた。
ヒュニンカイの手だ。
暗くスタッフさんにもバレないと思ったのか…手を繋ごうとしてきた。
僕は嬉しいはずなのに嫌だった。
まるで遊ばされているようだ。僕はそんなに軽くない。
ヒュニンカイの手を僕は退けた。
流石に驚いたのか、ヒュニンカイは僕の顔を横からチラッと見た。
だが僕は目を合わすことなく、鑑賞は終わった。
その後の撮影はあっという間だった。
いつものようにミッションをクリアしていき、ブドウの実を貰う。
だけど、いつもよりヒュニンカイと関わる事は無かった。
やっと退勤の時間になった。
僕はメンバーと一緒に帰りのバスに乗り込んだ。
帰りは撮影の疲れもあってか、眠りについていた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。