魔王の宴の最中ー
ギィ「あぁ、そうだ。魔王になったならこれは話しとかないとな。」
リムル「?なんのことだ?」
ラミリス「もう1人の魔王のことよ。」
レオン「そんなこと初めて聞いたぞ。」
ギィ「レオンは急遽魔王になったようなものだからな。知らなくて当然だ。」
リムル「それで?だれなんだ、その魔王って。」
ギィ「ワルプルギスに呼んでもこの100年来たことないやつだよ。」
リムル「え、そうなのか?」
ギィ「あぁ。今回も新しい魔王が生まれるかもしれないから来いよって誘ったんだが……。」
ギィがそう言った瞬間、部屋に閃光が走った。
リムル「うわっ(っていってもちゃんと見えてるけど…)……⁉︎」
光が消えると、そこには1人の女が立っていた。
背中を流れる綺麗な白髪。
まるでサファイアのような瞳。
成人男性より少し低めだが女性にしては高めな身長。
ギィ「!ミク!やっと来たか!」
ミク?「悪いね、ギィ。少し強めな魔物に襲い掛かれてね。」
ラミリス「あんたならワンパンでしょ?何を手間取ってたのよ。」
ミク?「久しぶり、ラミリス。その魔物が希少でね。生きたまま研究に使いたくて手間取ってたんだ。」
ルミナス「相変わらずじゃな……。」
八星魔王の中で状況が理解できていないのは、リムルとレオンだけのようで、みんなミクと呼ばれた女性と話している。
レオン「ギィ、そいつは誰だ。」
リムル「(レオンよく聞いてくれた!)」
ギィ「あぁ、お前らは知らねぇよな。さっき話した魔王だよ」
リムル・レオン「え/は?」
ミク?「君が新しい魔王かい?2人いるね。ギィ、なぜ教えてくれなかった?」
ギィ「何度も言っただろ。お前が来なかっただけだ。」
ラミリス「そうそう!そろそろ研究は休憩したら?何回か遊びに行ってるけど、ここ100年はずっと研究でしょ?」
リムル「(いや、やりすぎだろ!)」
ミク?「あぁ、自己紹介がまだだったね。」
ミク(美久)「私はミク・ゴジョウ。一応魔王だ。よろしくね。」
五条 美久
年齢:29歳(異世界だと329歳)
性別:女
家柄:御三家『五条家』の長女(第一子)
好きなもの:甘いもの、研究
嫌いなもの:辛いもの(わさびはいける)、蛇(研究で使ってたら噛まれて死にかけたから)
術式:無下限呪術、反転術式、六眼
Q、なぜ異世界へ?
ミク「呪詛師を捕える任務だったんだが、どうやら対象を異世界に飛ばす術式でね。300年前にここに来たのさ。」
Q、帰れないのか?
ミク「そのための研究をずっとしてたんだが、結果はまだないね。」
Q、時間軸は同じなのだろうか?
ミク「…実は、100年単位で向こうの携帯が使えて、弟と話せるんだが、どうやら異世界の100年は元の世界では1年のようでね。」
Q、帰りたいと思わないのか?
ミク「たまに思うよ。…でも、こっちの世界の生活も案外気に入ってはいるんだ。弟に会いたいが、声だけでも聞けるのが幸い、というところかな。」
Q、この話を見ている人たちに何か言うことは?
ミク「必ず向こうに帰る。まだ何百年かかるかもしれないが、一時的でもいいから帰る。これはそう言う物語だ。」
『最強の姉、異世界へ』
ー開幕ー
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。