時は明治時代。
町外れにある小さな森の中に、ちょこんと立っているのが言葉屋。言葉屋とは、文字通り言葉を売る商売なのだが、不思議なことに店長「琴葉(ことは)」はお金を取らない。そんな言葉屋の物語である、、、。
「すみませ~ん」戸口の外で声が聞こえた。琴葉は大きな声「はーい」と返事をする。久しぶりのお客に気合が入っているのだ。「いらっしゃいま」で言葉が切れた。なぜかというと、「この店を売ってくれないか」と客(おばあさん)がいうからである。一瞬硬直したがすぐに大きな声で「かえれっ!」と客を追い出す。
こんどこそっ!「すみませーん」きたっ!客はお団子の女の子だった。その子の依頼は「招待状が届き、返事をうまく書きたいがどうすればよいか」という内容だった。
2m離れたところで「そこから動かないで!」と言い放つ。陰陽師の力で床に紋章が浮き出て、式神が言葉が書いてある札を持ってくる。「ありがとう」と琴葉が言うと式神は光り輝き、破れてしまう。そんなこんなで集まった言葉を使って文を作った。その女の子はその手紙をみるなり「とてもいい手紙です!ありがとうございます!」とパアッと顔を明るくして言ってくれた。琴葉は、「良かったですそれでは、、、」といい、術を放った。「さよなら」その女の子の視界が真っ白になった。気がつくとワイワイと賑わう大通りにぼーっと立っていた。今までの記憶がふっとんで何もわからない。が手紙は大事に腕の中にあった。その手紙をみるなり笑みがこぼれた。
琴葉はその様子をみて、「言葉屋はいつもあなたのそばにあります」と小声で言った。
次回 第二話 作文












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。