基本的には憎男視点
······。何も言えない。だって、俺がもし香菜の立場だったら、同じことをすると思うから······。俺と同じで、こいつは苦しんでたんだ。だから、俺が心が楽になることを言わなければ······。こいつは、また、心が病んでしまう。
香菜は、驚いたような顔をした。
年上の人にこういうこと言うの、恥ずかしいが、少しでも香菜の心が楽になってくれるなら······。
香菜の目に涙がたまるのが、わかる。よし、もう一押しだ。
香菜side
今まで、私は両親のことについて、誰にも話をしていなかった。理由は、単純に怖かったから。私が、両親を殺したと言ったら、みんな差別をする目で、『人殺し』と言われるだろう。実際、小学生の時、『人殺し、人殺し』と言われまくった。
香菜side
誰も私の気持ちなんて分かってくれなくて、いつも妹に慰めてもらっていた。なのに、妹以外にも、私の気持ちを理解してくれる人がいた。まさか、妹だけではなく弟にも、慰められるとは······。
正直、俺がこういうこと言っていいのか、分からないが······罪を認め、償いをしようとするとは、なかなか出来るもんじゃねぇ。俺なんか、復讐の気持ちだけが、残っているのによ。
その瞬間、俺は、香菜に抱きつかれた。
はぁ~。めっちゃ、気まずい。いや、ここまで来たら、俺が最後、話すのがお決まりでしょ。でも、もう励ますことは、全部言っちゃったし······。誰でも、いいから、落ちをつけてくれ~。
待って。小雪がガン見してきているんですけど······。この後、何、言われるんだろう。
香菜は、小雪の存在に気づいたら、一瞬で俺から離れた。
💢
ヘタレとは、弱った物、臆病な様子や情けない性格をした人物を指す俗語である。 by 作者
呑気に解説してんじゃねぇ。
でも、こういうのを見ると、俺達は兄弟なんだと実感してしまう。ここに、宣言しよう。こいつらは、信用できる。
······
そうだった。俺は、こいつに負けたんだった。だったら、やることは一つ。
そう。俺は、特訓して、こいつらよりも強くなって、最終的には、俺の家族を殺した奴に復讐をする。悪いが、復讐をするというのは、変える気は、しない。だが、無害な人たちに手を出すのは、やめた。俺は、こいつらと幸せに暮らすんだ。
新たな人生の始まりだ。
『法王の聖域』本部
ダローケの呼び声とともに入ってきた。
サラは、消えた。
ダローケとシズクが消えた。
カイは、消えた。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!