私は嫌な予感を感じながらも、家に戻る。
母様が、ダリア…私の命を散らしている。
私は母様から黒ダリアを横取る。
そう吐き捨てて、家を飛び出す。
必死に走って、公園にたどり着いた。
…黒ダリアの花びらは、残り17枚。
あの時の母様の眼。
__いつもとは違う狂い方だった。
私は、手元のダリアを見る。
『いいかしら?
あなたは優雅に振る舞って生きていきなさい。』
『全ての仕草を優雅に。
口調もていねいに。』
『いいか?
お前は俺のように華麗に生きろ!』
『全てに好かれろ。
美しく、存在をアピールしろ!』
『いーい?
あんたは、威厳でも持って豪胆に、よ!』
『気ぃ弱いとかありえない。
どんどん自分を押していくのよ!』
『優雅に』
『華麗に』
『威厳を』
『聞いてるかしら?』
『なぁ、聞こえているか?』
『ちょっと、無視すんな』
私は墓場に走り出す。
優雅じゃない
美しくもない
威厳もない
そんな走り方で
私は、黒花 知莉の墓の前に座る。
チリは私の双子の妹。
チリは他の家族みたいに、
自分の望みを私に押し付けない。
そんな他愛のない話でも、
チリとなら楽しかった。
2人なら、口調や仕草を気にしなくていいし。
チルの雰囲気がいつもと違う。
どうしたんだろう…
チルが胸にナイフを刺す。
チリとの思い出や、別れが蘇る。
チリは謝りながら自殺した。
チリは最後、幸せを届けるって言ってくれた。
だから…幸せになるまで、私は死ねない
"違う形で、幸せ"














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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。