sana side
私は急いでみーたんに電話した
みーたんの焦ってる声。嘘じゃない。
ほんまにあなたの下の名前が家におらんのや
私は包み隠さず全て話した
自分もわかってる。最低なことをしたのは、
だけど、あなたの下の名前には私に縛られずに幸せになって欲しかった。
それで電話が切れた
…なんやろ、この気持ち。あなたの下の名前を取られたくない、みーたんじゃなくてサナが見つけ出したい
私はそう言って行こうとしたけど
ももりんに腕を掴まれた
どちらかというと、気持ちは後者の方が強いかもしれない。みーたんよりもさなが先に見つけて、それで謝りたい。ちゃんと、あなたの下の名前の話も聞けばよかったのに、自分一人で言ってしまったこと
私はそう言って、ももりんの手を優しく下ろす
前まではあんなにダヒョナのこと好きやったのに、いつの間にかそれが上書きされていった。あなたの下の名前の優しさに漬け込むほんまに酷い女やけど、それよりも、あなたの下の名前が好きでたまらない
私はそうして大学を抜け出した
そこから数十分走り回った。
こんな走るのは何年ぶりやろ、
息切れもして、めっちゃきつい。
けど、そんなん好きの人のためならなんともない
ポツ、ポツ
雨も降ってきた
そういえば天気予報で今日は雨みたいなこと言っとたわ、傘もってこればよかった、
ていうか、前もこんなことあったよな、
あの時は…ダヒョナと喧嘩して……
そうや、あなたの下の名前が傘を貸してくれて、
あそこからサナとあなたの下の名前の関係が始まったんよな、
早く見つけてあげな、またあなたの下の名前風邪ひくやん、
私は傘もささず、あなたの下の名前を探し回った
ピロンッ
そう思って、スマホを見たら
と、みーたんからメッセージが来ていた
あぁ、負けちゃったんや、
なんとも言えない悔しさと自分の不甲斐なさを感じた
サナは何回もあなたの下の名前に助けて貰ったけど、サナはあなたの下の名前を助けてあげれたことなんて…一度もない、
良かった、雨が降ってて、サナが泣いてることなんか誰にも分からへん、
でも、あなたの下の名前は…気づいてくれたよな、
何考えてもあなたの下の名前のことばっかり、
もうどうしようもないな、自分
そうして私は1人で家に帰った















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。