第60話

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2021/10/17 02:13


お久しぶりです 🍀


先日《 mixed nuts 》にてお話させて頂きましたように


大分ゆっくりペースですがこちらの作品の投稿も


進めていこうかなと考えております ✊🏻


気長に待っていただけましたら幸いです🌱‬


では、過去回を思い出しつつお楽しみくださいませ 👀













































🐣 「 起立 、礼 」














ジミナが号令をかけると、教室中の至る所から声という声が集中する。やっと五、六限が終わった。おまけに明日から週末ということで、生徒が喜ぶのは無理もない。俺自身も勉強以外の別の意味で疲れきったこの体を癒せると、内心浮かれていた。














身支度を整えて席に着く。終礼が始まるまで残り5分ほど。先生がやって来るまで、5分ほど。考えよう、今日の出来事を。ただ考えずにはいられない問題が山ほど脳に蓄積されているようで、上手く頭が回らない。でも一つだけ、これらの疑問を総称した、中心となる疑問は俺の中で明白だった。それは、














先生は一体、何を考えているのか。ということ。














大体の疑問はここから派生される。俺は最近先生の言動に少々違和感を感じていた。保健室で抱かれた後も必要以上に心配してきたり、その上嫌いになったか、なんておかしな質問してくるし。大体嫌いなわけないじゃん。嫌いになろうとしたところで、先生ががっちり俺を掴んで離さないじゃん。‥離さないじゃん、‥離さない、‥のかな。














もし俺があの時、先生とはもう関わりたくない、なんて言っていたら、先生はどうしただろう。ドSっていう表向きだけれど、本当は凄く凄く繊細で、優しい心の持ち主なんだ。嫌がる俺を見て、身を引く可能性だって十分にある。過度な行動に負い目を感じただけで、そこにたまに出る可愛い一面が浮き彫りになってしまっただけだとすれば話は別だけど。はたまた俺をこうして混乱させるためのある種の計算だとすれば話は尚更話は別なんだけど。そうじゃないとしたら?本気で俺のことを気にしてくれて、自分はジョングクの負荷となる存在なんだって思ってしまったら。簡単にあの手を、離してしまうんじゃないか。先生は自分の気持ちよりも、俺の気持ちを優先する人なんじゃないか。














ここまでの推測が正しいとしたら、なんか俺‥無神経すぎるよな。自分のことにいっぱいいっぱいで、先生の気持ちを考えられなかった。というか大体、先生と俺ってなんなんだろ。どういう関係性なんだろ。曖昧な立ち位置だからこそ気にするべきだったのに。あぁもう、分かんない。俺は先生と、‥どうなりたいんだ。














ガラガラ、とドアの開閉音が廊下側から聞こえてきた。それと同時に現れる先生。普段通り、至って普通。俺と目を合わせることはないし、あっという間に終礼は終わっていった。すると生徒たちが次々に教室をあとにする。手元を片付けて掃除の指示を出せば、そのまま教室を出ていこうとする先生。














🐰 「 あ、待って ‥ 」















そんな声は周囲の音に掻き消され、それに気づいて先生が振り返るなんて以ての外だった。そのまま教室を去っていく先生の背中を見ながら、慌ててリュックサックを背負う。そのまま先生の後を小走りで追いかけた。さほど距離もなく先生持ち前の身長の高さから簡単に見つかる後ろ姿を目印に、人混みをかき分ける。














🐰 「 先生!」














そう呼んだと同時に腕を伸ばして先生の手首を掴めば、一瞬驚いた表情で振り向いて立ち止まる先生。一呼吸置いて本題を切り出した。













🐰 「 先生、‥さっきの事なんだけど 」













🐯 「 ‥さっきのこと?‥あぁ 」














🐰 「 ほら、昼休みにジミナに見られ ‥っ 、ん、」














するといきなり俺の口元を手で覆い、反対の手の人差し指を立てて自身の口元に添わせる先生。口を横に開き " しーっ " と言葉を口にする。














🐯 「 それ 、ここでしていい話なの?」














そう周りを目で確認する先生につられて、思わず周りを見渡せばまだまだ人通りは多いようで、さすがにこんな公共の場で出来るような話ではないとようやく察した。首を数回横に振れば、口角を上げて手を離す先生。そっと俺の手首を掴んで














🐯 「 じゃあ着いてきて。」














手を掴んでいることが周りにバレないように、なるべく隣を歩いて俺との距離を縮めようとする先生。そこまで気を遣ってまで俺の手首を離そうとしない。そういうとこがほんと、先生らしい。思わず歩いている最中にこんな言葉を口にした。




















🐰 「 優しいですよね、先生って 」


















🐯 「 え?何急に 」

















🐰 「 別に?ただなんか‥ 紳士だなって思っただけ 」



















🐯 「 なんだそれ ㅋㅋ 」

















🐯 「 でも別に 、誰にでもこうって訳でもないけどな 」


















🐰 「 ‥ え?」



















🐯 「 前も言ったけど 、こういう風に接するのもお前だけだから 」


















🐯 「 お前だけ特別だって 、何回言えばわかるの?」



















🐯 「 いい加減学習しろよ、ばーか 」



















🐰 「 っ ‥ けど、‥そんなばかを特別視する先生の方が、よっぽどばかだと思いますよ?」



















🐯 「 ‥まあな、自分でも呆れるよ ㅋㅋ 」


















🐯 「 けど、」

































🐯 「 ばかで居るのも悪くねぇな、お前がいるから 」






















































































































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