数日後、
午前の光が医務室の窓から差し込んでいた。
あなたの下の名前はベッド脇で荷物をまとめていると、
優しく声をかけられた。
あなたの下の名前は穏やかに笑い、
と返すと…
ドアからコンコン、と控えめなノックが聞こえた。
答える前に扉が開き、姿を現したのは保科副隊長だった。
無造作に片手をポケットに入れたまま立っている。
けれど、その声色はいつもより柔らかく、目元もどこか安心したように見えた。
驚きつつも問いかけると、保科副隊長は肩をすくめて笑った。
それを知らないあなたの下の名前は、ただ少し頬を赤くして視線をそらした。
荷物を持とうとした瞬間、保科副隊長がひょいっと奪い取った。
医務室を出て並んで歩く二人。
廊下にはまだ朝のひんやりした空気が残っていて、靴音が静かに響いた。
隊員たちとすれ違うたび、あなたの下の名前の胸は落ち着かなくなる。
その背中を追うように歩く自分の足が、少しだけ軽くなっていた。











編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。