第22話

迎え
963
2025/08/15 21:00 更新
数日後、



午前の光が医務室の窓から差し込んでいた。



あなたの下の名前はベッド脇で荷物をまとめていると、






看護隊員
無理はしないでくださいね







優しく声をかけられた。

    




あなたの下の名前は穏やかに笑い、





あなた
…ほんとありがとうございました!







と返すと…











ドアからコンコン、と控えめなノックが聞こえた。
 







あなた
?…どうぞ







答える前に扉が開き、姿を現したのは保科副隊長だった。






 


保科副隊長
迎えに来たで、あなたの下の名前ちゃん







無造作に片手をポケットに入れたまま立っている。




けれど、その声色はいつもより柔らかく、目元もどこか安心したように見えた。




あなた
えっ…わざわざ保科副隊長が?








驚きつつも問いかけると、保科副隊長は肩をすくめて笑った。






保科副隊長
新人が怪我して復帰するんや
迎えくらい行くやろ、普通







保科副隊長
(…そんなこと、他の隊員には滅多にせんのに、なんであなたの下の名前ちゃんは…)







保科副隊長
(ダメや、今はこっちに集中せな)






それを知らないあなたの下の名前は、ただ少し頬を赤くして視線をそらした。











荷物を持とうとした瞬間、保科副隊長がひょいっと奪い取った。








保科副隊長
重いんは任せとき






あなた
いえ、自分で…






保科副隊長
ええから、怪我人は大人しくしとくもんや













医務室を出て並んで歩く二人。


廊下にはまだ朝のひんやりした空気が残っていて、靴音が静かに響いた。







隊員たちとすれ違うたび、あなたの下の名前の胸は落ち着かなくなる。







あなた
( ____でも、不思議と嫌やない )







その背中を追うように歩く自分の足が、少しだけ軽くなっていた。

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