gunwook side
朝いつも通り登校すると、机に突っ伏しているあなた。いつもは俺を見るなり「あ、ごぬ、、お、はよ〜」と眠たそうに声をかけてくる。でも今日は違う。寝てるのか起きてるのかも分からない、何なら生きてるのかも分からないほど1ミリたりとも動かない。幸い席が隣なので心配になってツン、とあなたの腕をつついてみる。反応はない。寝てるならそれはそれでいいのだが、さすがにもうすぐ朝礼は始まるし、起こさなければと思って声をかける。
少し身体を揺さぶってみても、返事はない。本当に死んでしまったやつ?いやでもそんなことはないし、、と眠すぎる頭で訳の分からないことを考えてしまう。
こういう時に聞かされるのは決まって彼氏との惚気話。あなたとは中学から同じで一度好きだと伝えたことがあるが、彼女は高校で仲良くなった奴を選んだ。好きな人が幸せならそれで良かったけど、「ねえ彼氏がさ〜」の話の始まり方にはもう飽きた。告白してきた女の子と付き合ってみたこともあったが、あなたからは何も無くただ「おめでと〜」ぐらいの緩さだった。他の子と付き合ってもしっくりこないし、申し訳ないがデートをしても楽しくなかった。やっぱりあなたじゃないとダメなんだって。
朝礼が終わって一限から四限までの授業を乗り切って昼休み。いつもはその彼氏とやらとお昼ご飯を食べているが、今日は俺と食べてくれるらしい。正直言って嬉しかった。
今日の朝机突っ伏していた理由が分かった。正直俺にとっては大チャンス中の大チャンス。だけど、別れた直後で弱っている彼女の心に漬け込んで、『俺にすれば?』なんてキザなことは言えない。こういう時どうすればいいんだ俺!!と頭の中にもう1人召喚して考えを巡らせる。悲しみは分け合えば半分になる!その理論で寄り添ってみることにする。
思わず机をガタンと鳴らして立ち上がってしまった。当然周りからの視線は突き刺さるし、何事も無かったかのように座る。食欲も無いのか、あなたのお弁当を食べる手は度々止まっている。そりゃそうだ。恋人に自分とは別に他に愛する人がいたんだ。食欲も無くなる。
そういう彼女の瞳はどこか寂しそうで、切なくて。あなたの元彼への苛立ちとともに、俺ならこんな顔させないしという気持ちがふつふつと湧き上がってくる。好きな子が失恋して、寂しそうな顔を見せられたら黙っていられない。
あぁ、言ってしまった。さっきはそんなキザなセリフ言ってやるもんかと思っていたけど、いざそうなると脳は言うな!止まれ!と信号を出しているのに、口は勝手に開いてべらべらと喋ってしまう。今、好きでもない男に、ただの友達にそんなこと言われたって彼女はどうすることも出来ないと思うし、迷惑だと思うに違いない。それでも俺の口は止まらない。
ほら、当たり前だけど俺の求めている答えは返ってこない。時間が経つにつれて彼女の目はどんどんと水分量を増していき、今すぐにでも溢れそうだった。だから俺は彼女の手を引いて教室を出た。ご飯なんどうだっていい。なるべく人目につかないところを探して、彼女が落ち着けるような時間を作る。
何故か俺が振ったみたいになってしまっているが、ここで付き合うことになっても今まで通りただの友達のような関係性になってしまいそうで嫌だ。我儘かもしれないけどあなたと恋人になるんだったら恋人らしい関係性でいたい。あなたがもう最悪な元彼のことを思い出せないくらいまで愛す自信はある。それでも彼女には真剣に考えてほしい。俺を好きになるまで。
耳まで赤く染めて、少し恥ずかしそうにそう言うから俺まで顔が熱くなる。
あなたに向かって腕を広げると、ぴったりと収まる。その姿が可愛くて思わず可愛いと口に出しそうになったが彼女に聞こえたら恥ずかしいから我慢した。丁度俺の心臓の辺りに彼女の顔があって、心臓の音が聴こえていないか不安になる。俺の心臓は今、ものすごく早く音を立てて動いている。それは好きな人と、恋人とハグをして密着しているから。こうなることを何年も前から望んでいたから。
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ゴヌクのリクエスト有難うございました🐻❄️💕
こんな感じでよろしかったでしょうか(;-; ) リクエストは各話のコメント欄、または第12話のrequest boxのコメント欄で常時受け付けております👍🏻
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。