入ってきた先輩カップルの声を耳にしながら
も、今の状況に心の中で慌てふためく。
スタンリーの咄嗟の行動で、私たちは
今ロッカーの中。
狭いし近いし…スタンリーの息が耳に
かかって、くすぐったい。
べつにスタンリーは悪くないんだけど…。
恐らく行為がヒートアップしているであろう
向こう側。それとは別に、私たち…私も、
心がヒートアップ中だ。
この状況、ほんとにマズイ。私はドキドキ
してるし、スタンリーが近いし…
…ていうか、この体制もキツい。下心
があるわけじゃないけど…もう少し寄って
もいいかな。
バクバク、心臓がうるさい。
でも、……それは
それが、この状況による緊迫感なのかどうか
は定かではないけど。
でも、心拍数が
ドキドキしてるっていうこの事実が、
同じっていうことが
( バタン
( バタンッ
スカートがひっかかったせいでバランスを
崩して、スタンリーが抑えていた古いドア
が開いてしまったらしい。
2人でロッカーから落ちるように出て、
そのままドシャッと床に倒れた。
スタンリーは私の頭がぶつからないように
後ろに手を添えていて、はたから見れば
押し倒しているように見える.
そんな状況が痛みに耐えている私には
分からず、ただお礼を言った。
ロッカーの暗闇から出て、外の眩い光
にようやく対応した目で、目の前にある
スタンリーの顔を見る。
そこには
顔を真っ赤にして私を見ている、
スタンリー・スナイダーがいた。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!