チョコ…作っちゃった、
しかも、柑橘系とか、ヨーグルト味とか…色々選んじゃって、
気づいたら、いふくんの好きなものでチョコが出来上がっていた。
梱包も、カードも…前にいふくんが好きって言っていた青色だ。
いっそ…渡そうかな。
いつも私のこと助けてくれてるし…そのお礼ってことで!
そう思ってギフトカードを一枚だし…書く。
そんな事を考えながら書いた言葉は、
『好きです。』
これはボツだ。
新しい紙を出して、今度はいつも手伝ったり、フォローだったり、
いろいろしてくれてありがとう。
と、当たり障りのないことが書けた。
-バレンタイン当日-
いふside
そんな事を言いながら朝、靴箱を開けたら、
ズドドドドドドン!
毎年恒例、バレンタインデーに靴箱からありえへん量のチョコが入っとった。
それを見て、そういやバレンタインやったな、と思い出す。
隣で同学年で親友のないこが笑いながら言った。
だがないこが靴箱を開けた瞬間、
ドンカラガッシャン!!
俺の量の倍くらいの多さのチョコがないこの靴箱の中から出てきた。
流石、うちの学校の生徒会長。
俺の左隣で、ボソッとつぶやくあにき。
あにきも俺と同じ学年、俺と同じく生徒会副会長だ。
ないこの足元はチョコだらけだ。
…俺もやけど。
そう言いながらあにきが靴箱を開ける。
まあ…あにきもあにきで人気者やから量は多く、
ドサ-っと俺と同じくらいかそれより多いくらいの量のチョコが落ちてきた。
あにきからもらった袋にせっせとチョコを入れた。
(絶対、この後手渡し勢が来るから増えるわ…。)
放課後、
今日は昼休み追い回され、放課後も探し回され、男子には妬まれ、
(食べきれないから少しあげた。)
散々だ。
そう思っていた時、あなたを見つけた。
あなたは色々言ってから、俺に紙袋を差し出した。
顔は…恥ずかしいのか真っ赤だ。
まさか好きな人から貰えるとは思っていなかったから
俺は、面食らってしまった。
嫌なわけない、むしろめちゃくちゃ嬉しい…!
そう言ってあなたは安心したように笑った。
そう言ってあなたが、帰ろうとする。
義理でも、めっちゃ嬉し…、
そんな事を思いながら、その後スキップを仕出しそうな勢いで家に帰った。
(もちろん、出待ちがおったんやけどな!w)
全員「おついれ!」
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!