静岡県へ行く日は一瞬でやってきた
会えるかも分からないし、千空くん達がまだ静岡県にいる訳でもないのに心臓が早く動いた
途中まで千空くんのことで頭がいっぱいで稽古に集中できなかったものの
なんとか私の勝利に終わった
当然会えなかった。
分かっていたけど、期待をしてしまっていた。
こんな広い世界でまた会えるなんて奇跡や運命でしかありえないもん
ここら辺、私が住んでたところに近いな
懐かしい
その時だった
正面から2人の少年が全速力で走ってきた
その声や走り方、見た目には見覚えがあった
この街並みとよく合う、懐かしい
やっぱり、やっぱりそうだ
見間違えるわけない
あの時となんも変わってない、だけどすごく大きくなった大好きな人達
また会えた、やっと会えた
千空くん、運命とか奇跡とか信じないだろうけど
これはそれ以外の何物でもないと思う
バビューン
その2人はさっきよりもスピードを上げて目の前を通り過ぎてった
せっかく、せっかくの再会が、こんなのになるなんて
もう泣きそう、、
でも、かっこよくなってたな、千空くん
人目見れただけでも嬉しい、幸せ
そう自分に言い聞かせた
そこには千空くんの学生証が落ちていた
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。