第18話

ここにいるよ、我が弟よ!
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2026/02/17 09:06 更新
草摩綾女
草摩綾女
とりさん!由希は無事なのかい!?どうなんだ!?どうなんだいとりさん!!
草摩由希
草摩由希
由希の表情が見たことないほどの嫌悪感に満ちている。
星野アクア
星野アクア
(当主に会った時並じゃねぇか…)
草摩はとり
草摩はとり
はぁ…怪我をしたのは由希ではない。そもそも、草摩の人間ではない
草摩綾女
草摩綾女
ふむ…と言うことは、透君かい?
草摩紫呉
草摩紫呉
透君と、あと一人、お客人がね
紫呉が、満を持して綾女の前に現れた。
そして、いつもの甘ったるい雰囲気が流れる。
 
草摩綾女
草摩綾女
……君は最の近、とりさんばかりを呼びつけるけれど、もう僕に飽きてしまったのかい?僕は夜空に光輝かんと健気に在る月を見る度、ぐれさん…君を思い出すと言うのに…
草摩紫呉
草摩紫呉
まさか……ただ君に会いすぎると、僕はどうやら日常生活に支障が出るらしい…事実、僕の心は今、あーや色に変色してしまっているんだよ
互いに暫く見つけ合う。
草摩綾女
草摩綾女
よし!
草摩紫呉
草摩紫呉
よし!
そしてそして、毎度の如く笑顔で互いに親指を立てた。
星野アクア
星野アクア
(…何が?)
草摩由希
草摩由希
…とにかく、俺は無事だから。早く帰れ
草摩綾女
草摩綾女
何を言うんだ由希!せっかく駆けつけたんだ、兄弟仲良く雑談でもしよう!
草摩由希
草摩由希
帰れ。早く
草摩綾女
草摩綾女
……ふむ、杞憂だったか
草摩由希
草摩由希
草摩由希
草摩由希
(まさか…慊人と遭遇したことを心配して…?いや…この人に限ってそんな…)
すると、綾女がアクアとルビーを見た。
草摩綾女
草摩綾女
君がルビー君か!いとうつくし!
星野ルビー
星野ルビー
草摩綾女
草摩綾女
正に美の女神!!
星野ルビー
星野ルビー
(…何この人、キャラ濃)
そして、綾女が横を振り向く。
草摩綾女
草摩綾女
そして君がアクア君か!いとをかし!その目!エモし!
星野アクア
星野アクア
星野ルビー
星野ルビー
ほんとに由希さんのお兄さん?全然似てないね!
草摩由希
草摩由希
(似ててたまるか…)
草摩綾女
草摩綾女
よく言われるさ!だがそれでも兄弟!そうだろう?血は水よりも濃いとはよく言ったものだ!
草摩由希
草摩由希
……帰んないの?
由希がはとりを指さすと、綾女が「おお…」と呟いた。

はとりは既に、帰り支度をしていたのだ。
草摩綾女
草摩綾女
おや?もう帰るのかい?はーさん
草摩はとり
草摩はとり
メールがあった。慊人がまた暴れているらしい。すぐに帰らなければ
草摩綾女
草摩綾女
そうか…
星野ルビー
星野ルビー
別によくなーい?勝手に自分で傷ついて暴れてればいいじゃん。あなたも酷い扱い受けてるんでしょ?構うだけ時間の無駄だってー
ルビーが言うと、その場の雰囲気が緊迫したものへと変わった。
草摩はとり
草摩はとり
……
草摩綾女
草摩綾女
……
はとりと綾女が目を伏せる。
草摩紫呉
草摩紫呉
ごめんねルビー君、僕達一応、慊人が生まれた時から見てきたし、そういう風に言われると…
紫呉の声には、若干怒りも含まれていた。
星野ルビー
星野ルビー
あー…
星野ルビー
星野ルビー
なーんだ、結局共依存か…
ルビーが呟く。
星野ルビー
星野ルビー
いえいえ!私も内情を良くも知らないのに失礼しましたー
すると、誰かがルビーの肩に手を置いた。
星野ルビー
星野ルビー
草摩由希
草摩由希
……俺達は慊人を裏切ったり、逆らったり出来ないんだ。慊人は、十二支を統べる者だから…そう、創られてる
由希はルビーのぼやきを聞いて、思わず話しかけていた。
草摩夾
草摩夾
特に、あの三人組は慊人が産まれた瞬間を知ってるから、俺らより繋がりを強く感じるんだろーよ
星野ルビー
星野ルビー
ふーん…
星野ルビー
星野ルビー
(よく分かんないけど、切ろうとしても切れない縁って、面倒くさそう)
草摩はとり
草摩はとり
紫呉も本家に戻るか?紫呉がいれば慊人も少し落ち着──
草摩紫呉
草摩紫呉
ああ無理無理、慊人さんがああなったの僕のせいだから、行っても余計火に油注ぐだけ
草摩はとり
草摩はとり
………そうか
はとりが綾女を見ると、綾女もそれに気づいてはとりと目を合わせた。
草摩はとり
草摩はとり
帰るぞ、綾女
草摩綾女
草摩綾女
とりさんが言うなら
二人は紫呉と目を合わせると、家を出ていった。
──家に来た時とは対極的な、暗い退場だった。
草摩紫呉
草摩紫呉
ルビー君、頬は痛くない?
星野ルビー
星野ルビー
あー大丈夫です!はとりさんに手当してもらったら痛み引きましたー
星野ルビー
星野ルビー
にしても仲良いんですね、三人
草摩紫呉
草摩紫呉
長い付き合いだからね〜
本田透
本田透
ひょあああ!!
突如、透の悲鳴と共に、ニョロロンと音がした。
草摩綾女
草摩綾女
そう!それはもう!大大大親友さ!
……そして、帰ったはずの人間の声が響いた。

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