珏58芹

🧫第47.5話…「Iターン」
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2026/08/31 06:17 更新
閲覧数60000超ありがとうございます!!
今回は間話です!

やあ、諸君。
僕は碓氷瑛久。医者でもあるが研究者でもある。
好きな教科は理科。好きな食べ物は…んー、海蘊(もずく)とか無花果。

この物語を見ている君らにとっては、僕は最低極まりない「黒幕」だと思う。
何にもしていないふうはや君たちが人体実験されて可哀想だって?
あはは、僕は間違ったことをしたつもりはないのになあ。彼らは「協力者」だよ。被験体扱いはやめたまえ。

まぁ君らをここに呼んだのは、お話がしたいからさ。
あぁ、お肉を食べさせるつもりはないよ。
食べたいなら別、だけどね。

僕がこんな状況に至ったか知りたくない?
知りたくないなら、次回のしゅうと君の変異を楽しみに待つんだね。出口はあっちだ。





残った君たちは聞いてくれるんだ。ふふ、優しいね。

じゃ、概ね話してあげるからよく聞くんだよ。





僕は田舎生まれ田舎育ち、就職は都会。
元々、自然の多い中で生まれ育ったから植物や動物と触れ合うことは大好きだった。
空き地で枝を振り回したり、水路でザリガニを捕まえたり、建物の裏でトカゲを追い回したり。近所に住んでいた友人とはよく遊ぶ中だった。あ、ちなみに女の子だよ。変な想像はやめてね。〝子供の頃〟だったんだから。

ただね...、自然は好きだったけど年齢を重ねるごとに人間には不快感を抱くようになっていった。
おかしな話だろ?自分も人間なのに他人にそんな感情を抱くなんてさ。
小学生になったばっかりの時、隣に越してきた双子に会ったんだ。最初は仲良くなれるかなーって思ったけど結構面倒くさい奴らだった。いわゆる猫被りってやつ。「俺ら意外の人間と遊ぶな」とか、「女友達を作るな」とか。相手が誰だろうと好きに遊ぶことすら許されない生活を強いられ、勝手に約束扱いされ、破った場合は説教と暴力が当たり前だった。あの憎たらしい2つの顔。今あったら培養槽にすぐさまぶっ込みたいよね。
...あ、僕の初登場時に傷の描写がないから嘘だとでも思った?もう治ったからいいんだけどね。唯一腹のは残ってるくらい。
なんかさ、友達ってだけなのに上下関係がくっきり見えてしまうような感じだった。一緒に遊ぼうとしたら双子にバレて、かつ女の子は泣き出して家に帰るから、残った僕が全部暴行を受けるってこと。言い返せなかったんだ。言い返す勇気もなかったし、言ったらもっと痛い目に遭うかなって思ってひたすら我慢していた。それをいいことに僕の妹にも八つ当たりして状態は悪化するからさ、僕も何でお兄ちゃんなのに守れないの、って親によく怒られた。これは僕は悪いって認めるしかなかったね。何度も妹と女の子に謝った。泣いている僕が馬鹿らしかった。
絶対に強くなって見返してやるって、典型的な感情も抱いた。

あと、僕は「間違うこと」に抵抗があった。小学生の頃の算数の授業、少しだけ教科書を先読みしてたから勇気を出して、手を挙げて答えてみた。「24になる掛け算の組み合わせはどういったものがあるでしょう?」ってやつに。
僕は、「2かける12」って答えた。実際、それも正解だよね。拍手が貰えるかなって思って当時引っ込み思案だった僕は頑張って回答したんだ。
そしたらさ、教室は一気に静まり返っちゃって。反応したのは先生だけだったんだよね。前の子は拍手喝来だったのに。小さいながらも僕は、間違えたかなと思って半泣きだった。なんか恥ずかしいだろ?確かに積極的じゃない子が手を挙げてもびっくりされるだけか〜って今の僕は思うよ。
それから、僕は反応を貰えないことに抵抗を覚え、何も言わないことにした。
自分の意見を否定される気がして、何も言えなくなった。誰でも答えられるような質問には、答えるようにした。
この頃から、僕は完璧主義だったのかもしれないね。

いろんな経験をするうちに、友達にも不感を抱くようになった。
ものの貸し借り、約束事、会話の中のささいな発言。
だんだんと僕が求める人間像のハードルは高くなっていった。時間はきっちり守ってほしい、とか。話を遮らないでほしい、とか。僕もそんなに意地悪ではない(つもりだ)から人に直接強いることはない。にこにこしながら許容範囲を広くしつつ、心の中で舌打ちしているような人だったね。

中高生時代は特におとなしい性格だった。
田舎から引っ越すときは別れが募って、何度も泣いた。でも同時に、もうあの双子とは会わなくていいという解放感もある。都会のレベルに着いていくのは時間がかかった。けど、何とか食いついて追いつくことに慣れていった。
植物の観察が好きで理科の先生に気に入られていた。
社会は苦手だったので、理系に進み、地学と生物を重点的に学習した。生物で出てきたのが、生き物の進化などの分野。遺伝子、とかストロマトライト、とか。まだ読者には難しいと思う人が多いだろうね。本当に面白くて面白くて。この頃から僕は積極的にノートを取り、勉強するようになった。
だってすごいと思わない?環境に適応し、生きていくために自分たちで子孫を残して変異を重ねていく。最初は生きづらかった体も、今ではこんなに順応している。研究したい、とそのとき強く思ったさ。「自分の功績で、環境に貢献したい」。やっと、自分のやりたいことがはっきりしたようなそんな瞬間だった。
けど学習が発展していくとは逆に、僕は少しずつ孤立していった。
何が原因だったかはよく覚えていない。
うまく意見を言えないこと、皆と違う意見を持つことに抵抗があったのに、言葉を発することができなかった。
…日本ってさ、不寛容な社会だと思わない?皆に意見を合わせなきゃ除外されるんだよ。外国は、強く一人一人の意見を求めてくれるのにね。だから、何も言わない方が自分のためだって。僕はそう思ってる。自己完結できるんだからさ。
なんか無闇に人に嫌われるよりかはマシだって。
そしたらさ、何もしなくても目立つ人が羨ましくなるんだよ。面白い人、リーダーシップのある人、誰かのためになって頑張る人。自分とは到底違うんだなって、よく遠目で眺めていた。ああいう人だったら何を言っても認めてくれるのかなあって。

この時点で何となく察したよね。

僕は、本当は目立ちたがり屋だったんだ。一度もスポットライトを浴びたことはないのにね。猫被りだったのは僕だったってわけ。
馬鹿馬鹿しいとでも思ったかい?あんまり声に出して言わないでね。

ほとんど友達を持たないまま、行きたかった大学に進学した。これからの生活を考えて医師の資格も取り、流れるように研究者になった。主に動物関係のね。
やっとひとりでやりたいことに没頭することができた。…大学の研究発表も苦手だったけど何とかやり切ったさ。

それで、僕は世間一般が思いつかないような研究をしたい、と思った。

世界に見られるなら、きっと誰かは僕を認めてくれる。
世界中の人間が目をひん剥くようなことをしなければ。



まずは、総合病院に勤めた。

そこで出会ったのが彩菜深雪。
当時の彼女はもうちょっと弱気だったかな。まだ責任感が薄かったというか。
お互い新入りみたいな感じで初々しいというか。
まあそこそこの美人さんだとは思うよ。相手が僕をどう思ったかは知らないけど。
最初からペアになることはなかったけど、何年か経った後、その時が来たんだ。

緋景秋灯。時は小学2年だったかなぁ。彼の担当で彼女とペアになったね。
流石に両足無しかつ難病持ちは初めてのパターンだったからびっくりした。酷い状態で運ばれてきたけど、僕が手術を施した。
純粋に可哀想、って思ったよ。親もいない中、余命を迫られてひとりで死を待つ。できる限りのことはしてあげたい、って話し合った。…僕はそれ以上のことを考えたよ。

そういや、人間で実験してないよねって。

同時進行で突然変異の研究をしていた僕は、そう思った。マウスや朝顔では何度も試したんだ。突然変異は、生きている間には絶対に起こらない。遺伝を通して、体に表れるものだ。
でも、それが生きている生物で起こってしまったらどうだい?僕は一躍有名だろう?
どんな変異が起こるのか、興味が湧いたんだ。まだ成功したこともないのに、ぶっ飛んだ考えを持ち始めた。

そこで、もともとあった地下室(薬品庫)の非常階段をわざと施錠した。
監視カメラの死角になるタイミングでね。なかなか広くて使えると思ったんだ。

次に、人手。かつ人間に試す前に他の動物に試そうと、ふうはや君たちの学校に、教育実習生として潜り込んだ。そこで見つけたのが、兎。全然お世話されてないし、なら僕が貰っていっても問題ないよね、ということで掻っ攫った。良い子は真似しちゃダメだよ。
で、監視カメラを壊し、地下室で実験室を広げた。
失敗覚悟でその兎に薬を打ったんだ。まあ、言わなくても結果はもうわかるよね。

成功しすぎたんだ。何度も配合し直した薬品が効きすぎた。
変異するどころか、理性と本能を天秤にかけることになったらしい。
でも、それ以外方法はない。
馬鹿なことに解除薬は成功していないんだ。
もう、やってしまったからには進むしかないんだ。
僕の言うことは聞くみたいだから、自由時間以外は働かせた。

そんなことをしているうちに、佳沙音君、風雅君、瑠威君がやってきた。
ちょうどいいじゃないか。それぞれ肉体を失っている人間に打てばどうなるか、また新たなデータが得られる可能性がある。

放射線も、必要以上に瑠威君に当てた。
薬も、風雅君には与えすぎた。

ふふ、どうなってしまうかはもうお分かりだよね。

あと一歩だろう?変異した4人を後は世界に広めるだけだ。
…たださぁ、それがうまくいかないもんで。しゅうと君がどうやら妙な真似をしたから4人は今それぞれ引きこもりになってるんだよ。

そこで、1番病院に近かった建物、雑だけど廃工場に地下の研究室を繋げた。これならいつでも圧をかけられる。言うこと聞いてね、って。

そしたらさらに、変な人間が来るんだもの。瑠威君はちょっと希望あったのにね。
見事に4人共敵に回っちゃった。
ちょっと許せないよね。

だから…もうやれることを全部実行するよ。



僕は止まらない。

おっと、読者はまだ回想を聞いている状態か。なら、もうちょっとだけ先だね。
こんなに語るの…初めてだからさ、手汗がすごい。

次はしゅうと君視点かな。もちろん、ここで話してない描写もこの先きっとあるから、よくお話を読むんだよ。


さ、じゃあまたね~。
スクロールお疲れ様です。
第47.5話もお読みいただき、ありがとうございます!!

本来入れるはずのない予定で進めていたので、矛盾があれば教えてください🙏
そして間話だし、週2投稿できるかなと思っていましたがリアルが忙しくて…しばらく投稿するイラストすら描けそうにないです😭もしかしたら来週の投稿はお休みになるかもしれません。まだ今週ノルマの第50話の下書きすら半分しか終わってません…。

そしてそして、遅くなりましたが🎨さんのタワーコラボですよ✨うわぁぁ…描きたすぎるのに描けない(泣)!!テスト終わりでも参戦できるのがめちゃくちゃ嬉しい…!去年のいんくえすとはギリギリだったので今回は本当に頑張れます😭
というわけで予定が変わらなければ、10月の17日か18日に東京タワーに参戦予定です…。ぼっちは覚悟してます。来年は受験生だから…今回こそは誰かとお会いしたい🤲

あと、今日の朝に投稿した理由としては、🎨さんのラジオ配信と被るためでした。皆さんぜひ19時から楽しみましょ〜!





追記:投稿再開日は9月12日です🙌

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