< そらちぃ side >
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彼女が帰って来なくなった三日目の夜。
僕はエイジに告げた。
背を向けて寝転んでいる彼は、優しく返事を返した。
僕は顔の前で握っていた携帯を下ろした
今度はえいちゃんが、青い画面を消した。
否定するのかと思った。
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えいちゃんは寝返りを打ち、僕に顔を向けた。
こんなに素直なえいちゃん なんか
初めて見た気がする。
負け確定の勝負を、僕は胸を張って言った
起き上がるえいちゃんを目で追った。
そのままえいちゃんは会話を終わらせて、ドアへ向かった。
僕が出来ることは、いつもただ、
それを見届けることだけ。
手を伸ばすのは無駄だと知ってしまったから。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。