第499話

No.496
7,475
2021/05/12 08:17
峰田実
オイラたちの姫が帰ってきたぞ〜!!
上鳴電気
姫ぇええええ!!!
芦戸三奈
あなた〜!!!







え、なになに。





峰田くんの言葉を聞いて、A組のみんなが私の方にすごい勢いで突進してくる。





急すぎる展開に驚きを隠せぬまま突っ立っていると、みんなにわっ、と飛びつかれた。







麗日お茶子
あなたちゃん!すごかったよ!
葉隠透
も〜!なんで言ってくれなかったの!!
切島鋭児郎
ほんとだぜ!!言ってくれりゃあもっと早く応援できてたのに!!
あなた
あはは...







みんなにもみくちゃにされ、頭を撫でられたり、抱きつかれたり。





されるがままだ。





だけど、全然悪い気はしなかった。







あなた
黙っててごめんね。相澤先生に口止めされてたの
飯田天哉
そうだったのか
瀬呂範太
なら仕方ねぇよな
蛙吹梅雨
そうね。でもあなたちゃん、とっても素敵なパフォーマンスだったわ







みんなが納得していく中で、梅雨ちゃんがそう言って微笑む。





それを聞いたみんなも、口々に言い出した。







瀬呂範太
ドレスすげぇ似合ってたな!
八百万百
とても美しかったですわ!
耳郎響香
パフォーマンスの工夫もすごかった!
青山優雅
キラキラ輝いていたよ!
尾白猿尾
すごく綺麗だったよ







みんな...。





じーん、とみんなの言葉を、思わず噛み締める。







緑谷出久
すごかったよ、轟さん
あなた
ありがとう、緑谷くん、みんな







と、







上鳴電気
ほーらかっちゃん!みんな言ったんだから、かっちゃんも姫にひと言!
爆豪勝己
なんでだ!!
上鳴電気
だって姫のパフォーマンスめっちゃ見惚れてたじゃん!
爆豪勝己
言うんじゃねえ!!







上鳴くんが、爆豪くんの腕を引っ張って私の前まで無理やり連れてきた。





てか、今の上鳴くんの言葉否定しなかったよね?





じゃあ、ほんとに見惚れてたってこと?





なんともいえない気持ちで爆豪くんを見つめていると、彼はため息をつき、みんながいる中で私の頭に手を乗せて撫でてきた。







爆豪勝己
...まあ、てめぇにしちゃよく頑張ったんじゃねーの
あなた







と、みんなが爆豪くんに向かってブーイング。







芦戸三奈
ちょっと爆豪!なにその上から目線!
飯田天哉
あなたくんはあんなに頑張っていたんだぞ!もう少し優しい言葉をかけないか!!
あなた
三奈ちゃん、飯田くん。これでいいんだよ







私の言葉を聞いて、みんなはきょとんとする。







あなた
爆豪くんは私のパフォーマンス、ちゃんと見てくれてたんだから。今の言葉も、きっと彼なりに選んだ言葉なんだと思うよ
爆豪勝己
...
あなた
ね?爆豪くん
爆豪勝己
...ふん







そう言うと、爆豪くんはふいっ、と顔をそらす。





この反応だと...たぶん、図星かな。





爆豪くんも案外わかりやすい反応するもの。







上鳴電気
そーかそーかあ。かっちゃんは相変わらず照れ屋でちゅね〜
爆豪勝己
アホ面ブッコロス
上鳴電気
ゴメンナサイ







そのやり取りを見て、みんなが笑う。





ああ、やっぱり私、A組のみんなが好きだ。





改めてそう思った。





と、







緑谷出久
轟くん?どうしたの?







緑谷くんの声がして、私はそちらの方に目を向ける。





彼の横には弟が立っていて、弟は少し不機嫌そうな表情をしていた。





と思ったら、ずかずかとこちらまで歩いてきて、私の腕を掴む。







あなた
え、なに、どうしたの?
上鳴電気
おー?轟、また姫を独占か〜?
轟焦凍
ああ
麗日お茶子
認めてもうとる...







なにやってんだよ。





やめてよという意思で弟を見つめていたが、無駄だった。





弟が腕を引っ張り、私を自分の方へと抱き寄せたからである。







轟焦凍
悪ぃな、あなたもらってく
あなた
ちょっ、
轟焦凍
いくぞあなた
芦戸三奈
いってらっしゃーい!
瀬呂範太
ごゆっくり〜







弟に引きずられるようにして連行される中、みんなは笑顔で私たちを見送っている。





ええ...なんとかしてよ、この状態。





目立っちゃってるんだよ。

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