シャッという音と共に部屋に光が差し込んでくる。
その眩しさにゆっくりと目を開いた。
と言ってもだ。
魔物を倒して回っているときはさすがに…
と思ってやらなかったが、村や帝国では傘をさしていた。
陽の光が苦手だと言っても過言ではない。
できれば緑がいい。緑は私の癒しのカラー。
やっぱりそこは外せないな…
すると、なんか急にころんを呼び始めた。
おそらく、アイツは魔法でなんか色々できるからだろう。悪魔だしね、一応←
でも昨日は様子がおかしかったし…当たり前
かのように来ない。
首を傾げる。
昨日の一連の動きを話した。
そんなにキッパリと言わなくてもwww
そんなこんなで寝覚めがよかった。
るぅとには一度出てもらい、着替える。
食堂に向かうと、さとみところんを除いて皆がいた。
チラリと見やると、ななもりはフッと笑う。
昨日のことを思い出し、何気に恥ずかしい
出来事だったなぁと顔を赤らめた。
ムスッとした顔で私を見る。
グルル、と威嚇するような動作を見せた後、ぺろっと下を出して笑った。
「まぁ流石に威嚇はしないよ」と。
ガタッと席を立つななもりと、わざとらしく口笛を吹くジェル。
なんならジェルは視線まで泳がせている。
ころんみたいになってるぞ、ななもり?
そうこうしていると、何故か泣き腫らした顔のころんと少しだけ暗い顔のさとみがきた。
その変化に気がついたのか気が付かないフリをしているのか…莉犬くんとるぅとが明るく二人に話しかけた。
二人は少し戸惑ったような表情を見せた。
でも、その挨拶で気分が少し変わったのか、すぐに笑顔になった。
そして朝ごはんが運ばれてきた。
昨日ジェルが作っていたのはたまたまのようで、基本的には姿の見えないコックが作る
らしい。
運ばれてきたものの中にはグツグツと煮える紫色のスープなどもあったけれど、それには皆、手を伸ばさなかった。
そう呟くと、何人かは食べていたものを喉に詰まらせたり吹き出しそうになっていたりした。
いや、だって…あんなの人間には飲めないし魔物にも飲めないでしょアレ。
魔王城のコックが作るものだから誰かしら
飲むのかと思っただけだから。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。