第23話

十九話
24,267
2020/01/26 13:06
るぅと
るぅと
おはようございます!
シャッという音と共に部屋に光が差し込んでくる。
その眩しさにゆっくりと目を開いた。
あなた

…おはよう。
あと眩しいぞ

るぅと
るぅと
あぁ、すみません。
あなたは日差しが得意じゃない
んですね。ジェルくんと同じだ
あなた

すまない、謎だが何故か
ジェルと比べられるのは不快だ←

るぅと
るぅと
そうですか。同意見です←
と言ってもだ。
魔物を倒して回っているときはさすがに…
と思ってやらなかったが、村や帝国では傘をさしていた。

陽の光が苦手だと言っても過言ではない。
あなた

傘、ないか?

できれば緑がいい。緑は私の癒しのカラー。
やっぱりそこは外せないな…
るぅと
るぅと
ありますよ。何色で?
あなた

緑がいいな

るぅと
るぅと
わかりました~
すると、なんか急にころんを呼び始めた。
おそらく、アイツは魔法でなんか色々できるからだろう。悪魔だしね、一応←
でも昨日は様子がおかしかったし…当たり前
かのように来ない。
るぅと
るぅと
あれ…おっかっしい
あなた

ころんのこともなぁ…
なんとかしないと。

るぅと
るぅと
なんかあったんですか?
首を傾げる。
昨日の一連の動きを話した。
るぅと
るぅと
なるほど…
あなた

何かわかったりしたか?

るぅと
るぅと
いいえ、サッパリ
そんなにキッパリと言わなくてもwww


そんなこんなで寝覚めがよかった。
るぅとには一度出てもらい、着替える。
食堂に向かうと、さとみところんを除いて皆がいた。
あなた

さとみ…ころん…

チラリと見やると、ななもりはフッと笑う。

昨日のことを思い出し、何気に恥ずかしい
出来事だったなぁと顔を赤らめた。
莉犬くん
莉犬くん
なんでいい感じになってんの?
ムスッとした顔で私を見る。
グルル、と威嚇するような動作を見せた後、ぺろっと下を出して笑った。

「まぁ流石に威嚇はしないよ」と。
ジェル
ジェル
なーくんが泣いてるあなたに
ひたすらカッコイイことを
言い続けたんよ~。
ななもり。
ななもり。
ジェルくん!
まさか聞いてたの!?
ガタッと席を立つななもりと、わざとらしく口笛を吹くジェル。
なんならジェルは視線まで泳がせている。
ジェル
ジェル
なーんにも?
ななもり。
ななもり。
ぐぬぬ…
ころんみたいになってるぞ、ななもり?

そうこうしていると、何故か泣き腫らした顔のころんと少しだけ暗い顔のさとみがきた。
その変化に気がついたのか気が付かないフリをしているのか…莉犬くんとるぅとが明るく二人に話しかけた。
莉犬くん
莉犬くん
おはよ、さとみくん!
るぅと
るぅと
おはようございますころん先生
二人は少し戸惑ったような表情を見せた。
でも、その挨拶で気分が少し変わったのか、すぐに笑顔になった。
ころん
ころん
お、おはよ…るぅとくん!
さとみ
さとみ
莉犬、おはよう
そして朝ごはんが運ばれてきた。

昨日ジェルが作っていたのはたまたまのようで、基本的には姿の見えないコックが作る
らしい。

運ばれてきたものの中にはグツグツと煮える紫色のスープなどもあったけれど、それには皆、手を伸ばさなかった。
あなた

…これは、食べられないのか?

ジェル
ジェル
逆に、こんなもの
食べれると思うんw?
あなた

…思わないな

そう呟くと、何人かは食べていたものを喉に詰まらせたり吹き出しそうになっていたりした。

いや、だって…あんなの人間には飲めないし魔物にも飲めないでしょアレ。
魔王城のコックが作るものだから誰かしら
飲むのかと思っただけだから。

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