第11話

ここに記す 貴方へ
1,232
2024/08/24 15:30 更新
藤澤side













   私はお姉さんに渡されたメモリを受け取り、


    改ざんされているかどうか確認をした
藤澤涼架
藤澤涼架
…………














「涼ちゃん、卒業しても、いっぱい楽しいことしようね!」
藤澤涼架
藤澤涼架
……































 パソコンを閉じ、綾華の部屋の紙も張り替えていく




























  ふと、紙の裏に何かが貼ってあるのを見つけた
藤澤涼架
藤澤涼架
……!!!















































    「大森元貴くんのことを忘れないで」


































      そう書かれてある付箋だった

















藤澤涼架
藤澤涼架
ッ……!!!!




















      私は涙が止まらず、嗚咽した










































      日記を持って綾華の家を出た












 






















         そして現在_____





    私は綾華の書いた日記を読んでいる



藤澤涼架
藤澤涼架
ハァ………!!!
















    日記を返しに、綾華の家へ向かった
藤澤涼架
藤澤涼架
……!
































歩いていると、前から日記の改ざんをしに向かい走っている自分の姿とすれ違った気がした
藤澤涼架
藤澤涼架
………































          トンットンッ
山中綾華
山中綾華
はーい
藤澤涼架
藤澤涼架
………
山中綾華
山中綾華
涼ちゃん!
山中綾華
山中綾華
あ、ごめん
山中綾華
山中綾華
ちょっときりのいいところまで描いちゃうから適当に座ってて



























     そう言って彼女が描いていたのは















































        “大森元貴”だった











山中綾華
山中綾華
なんか…
山中綾華
山中綾華
あの人元貴くんの絵ばっかり描いちゃうんだよね
山中綾華
山中綾華
クロッキー帳に描かれてた男の人元貴くん
藤澤涼架
藤澤涼架
ッ……!!!









山中綾華
山中綾華
手が覚えてるみたいに
山中綾華
山中綾華
何枚も何枚も

  





    私はまた涙が止まらなくなってしまった
山中綾華
山中綾華
どうしたの!?









藤澤涼架
藤澤涼架
ごめんなさい
藤澤涼架
藤澤涼架
私、綾華の大切な記憶を取り上げてしまったの
藤澤涼架
藤澤涼架
ごめんねッ………
藤澤涼架
藤澤涼架
ごめんなさいッ………






















藤澤涼架
藤澤涼架
___綾華が書いてた本当の日記
      私は日記を綾華に渡した
藤澤涼架
藤澤涼架
今まで
藤澤涼架
藤澤涼架
隠していて本当にごめんなさい








山中綾華
山中綾華
そっか
山中綾華
山中綾華
また涼ちゃんにいっぱい迷惑かけちゃったんだね





        私は首を横に振る
山中綾華
山中綾華
ありがとう








山中綾華
山中綾華
私の大切な人元貴くんの意思を尊重してくれて

















綾華side









山中綾華
山中綾華
……



       私は日記を読んでみる































  5月27日、月曜日。驚く出来事があった。







大森元貴
大森元貴
あの…
大森元貴
大森元貴
…付き合ってもらえませんか?





      最初はただのひらめきだった
山中綾華
山中綾華
いいですよ







       彼の告白に便乗しよう












こんな私でも、何か新しい世界に踏み出せるんじゃないか





















山中綾華
山中綾華
恋人のフリをするってのはどう?
大森元貴
大森元貴
恋人のフリ?
山中綾華
山中綾華
条件が3つあります!
大森元貴
大森元貴
条件?
山中綾華
山中綾華
そう!








山中綾華
山中綾華
1、放課後まではお互い話しかけないこと
 


    記憶を整理するのには時間がかかるから






山中綾華
山中綾華
2、連絡のやり取りはできるだけ簡潔にすること







  昨日の私との話題を持ち越されたら困るから












山中綾華
山中綾華
3、本気で好きにならないこと







思い出を作れない私に、恋愛感情なんて許されないから


























大森元貴
大森元貴
明日の山中も、僕が楽しませてあげるよ






















    けど…彼は記憶のこと知ってたんだ
















大森元貴
大森元貴
2人で明日の君を騙そうよ
















        知らないふりして









  思い出を作れない私に輝く毎日をくれたんだ









 







山中綾華
山中綾華
手続き記憶?
大森元貴
大森元貴
だから、もっともっと描いてみなよ





















記憶を明日に繋げない私に、生きる意味をくれたんだ


















     私はスマホの中にある動画を見る
山中綾華
山中綾華
元貴くんがソフトクリームを1つ落としたので、本日2個目のソフトクリームです!
山中綾華
山中綾華
お味はいかがですか?
大森元貴
大森元貴
悲しい味がします…
山中綾華
山中綾華
だそうです!















大森元貴
大森元貴
山中にわかるかな〜?
山中綾華
山中綾華
え〜?














山中綾華
山中綾華
手応えは?
大森元貴
大森元貴
………
山中綾華
山中綾華
聞いてはいけない質問だったようです



















彼は、その命が尽きる前日まで私のそばにいてくれた














山中綾華
山中綾華
ここはどこですか?
大森元貴
大森元貴
ここは、稲荷神社!
大森元貴
大森元貴
小さい時はよく家族で…




















      見返りなんて一切望まず












     思い出をただただ与えてくれた






















       だけど…私は失い続けた
























 彼との時間や出来事は、日記の中でしか存在しない


























大森元貴
大森元貴
どんな記憶も
大森元貴
大森元貴
完全に消えるわけじゃないよ























        だから、どうか神様








































   彼といた時間を、私に刻み込んでください

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