迷った挙句
大森の死を綾華に伝えた
一人では手に負えない悲しみを
押し付けてしまった
分かち合えないとわかってたのに
遺影の中で微笑む大森
彼女の瞳からは涙が溢れていた
そう言って私は綾華を抱きしめた
結局、お通夜には参列できなかった
綾華の精神状態は確実に壊れていった
何もかも抱えきれなくなって
私は大森のお姉さんに縋った
大森が託した決意を
綾華の壊れてしまうかもしれない明日を想像した
早苗side
「2019年5月5日」
「今日から日記をつけることにした」
「放課後に教室で元貴くんと待ち合わせ。」
「涼ちゃんと待ち合わせ。」
「_____くんが、手料理を」
私は「元貴くん」と書かれている部分を改ざんしていった
「____くんがウトウトしてた。」
この文を消したら、本当に元貴の記憶からも消えてしまいそうで___________
海辺で後ろを振り向いて微笑む元貴の姿が浮かんだ
「海辺の海岸を______と歩く」
私は涙が止まらなくなった
私はコピーしたメモリを藤澤さんに渡した


















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。