第16話

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2026/01/07 07:00 更新
アイエン side





今回の撮影は初めて取り上げられる会社だ。





女性のモデルの方と一緒に撮るらしいんだけど、その人が体調不良でドタキャンしたらしい。





それで急遽変わったから分かる範囲でその人の事を教えてもらった。





どうやら、事務所所属のモデルではないらしい。





歳は3歳上…どんな人か分からないから慎重に接さないと。もしかしたら僕のことを見下しているかもしれない。





そうピリピリしていると、その人は突然準備室に入ってきた。





(なまえ)
あなた
パチッ
 
IN
IN
パチッ






おい、話が違う。





底辺のモデルなんだろ?なのに…





なのに何だよそのスタイルとその顔!綺麗すぎるだろ。どれだけケアにお金かけているんだ?





待て、こんな綺麗な人の隣に並んだら僕がくすんでしまう…主役をこの人に取られてしまう!





ていうか何で同じ部屋でメイクしないといけないわけ!?





ここはもう少し配慮するべきなのに、どうなってんだよこの会社は…クソっ、イライラしてきた。






IN
IN
チッ、はぁ…





っダメだダメだ。






これは仕事だ。社長の言っていた言葉を思い出そう。






「もらった仕事や物があったら1番に礼を言うんだ。」






そうだぞ。そうなんだぞ。ヤン・ジョンイン。






仕事がある事自体に感謝しないと。そして今日こそはちゃんとした態度でいないと…!








































メイクが終わったが、胸のざわつきが治らない。






正直今まで共に撮影してきたモデルや女優なんかを遥かに上回るビジュアル。






本当にあれで素人なのか?





何かの嫌がらせでプロの人を呼んだんじゃ…そう考えたら居ても立っても居られなくなり、その女性の肩を掴んだ。






IN
IN
 素人が僕の足引っ張るなよ
 
(なまえ)
あなた
…ㅎ




なんで余裕の笑み浮かべられるんだよ…!?





他のやつならこれで一瞬にして大人しくなるはずなのに。





まるで餓鬼を見るような目をするなよ…!



























撮影が始まったが、僕の頭の中はどうやってこの女よりも目立てるかということでいっぱいだった。





カメラマンに密着してと言われた時も、いつもならスキンシップが苦手なため睨むか言うかして止めてもらう。




しかし今はその女が従って寄ってこようが押し付けられようが全く頭に入ってこなかった。





どうすればこの女より優位に立てる…!





いっそのこと自分からアクションを起こすか?いやでもそれで止められたら?





もうこれ以上心ないコメントに刺されたくない。





本当の僕はこんな横暴な自己中なやつじゃないはずなのに…!!





そう思っていたら急に顔を触られて、固まっていると、そのまま掴まれて頭の向きを変えられた。






IN
IN
っ!?
 
(なまえ)
あなた
ㅎㅎㅎ





そんなこと…怖くないのか?






なんでこの女は…この人は仕事で笑えるんだ?






何か間違った事をしたらすぐに叩かれてしまう世の中なのに、なんでこんなに笑顔なんだ。






staff
ナイスアドリブだよ!
アイエンさん、そのまま目線だけこっちに!
 
(なまえ)
あなた
ラッキ〜
 
IN
IN
、、、






この人が笑っているところを見ていたら、僕の中で何かが弾けた音がした。





…僕がこの仕事を続けた理由はなんだ。





そう、ありのままの自分を評価してもらうためだ。





なのに無意識にいつまでも過去に囚われて、性格も考え方も過去のままで。





コメントばかり気にする今の自分こそ、アンチに操られている人形じゃないか。






そうか…そうだったのか。なんでこんな大事なことに気づかなかったんだろう。












































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