第51話

*今、
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2020/04/21 10:47
私の思い出青春、一気に思い出した。
あなた

あの時、ちゃんと返事しないで今日まで来ちゃったなあ。
もうすぐイベント始まっちゃう…元気かな…ポッキーたいが...
***
あの時の返事を私は…
あなた

嬉しい…
ちょっと考えてもいいかな…?

恥ずかしかっただけ。
それだけで答えをにごして、
結局、付き合わないで終わった私の青春。
友達のままで、私とたいがは終わった。
まあ、それはそれで良かったんじゃないか、思い出だって沢山あるし。
今になってだからかな、そう思う。
気づいたら、会場内の照明が暗くなっていた。
"きゃー"
黄色い歓声に包まれたスポットライトの真ん中。ステージの上には_
彼がいる。
***
気づけば終わっていた。
久しぶりに見れた彼らは、キラキラして、とても元気そうで。
あのころの私を笑顔にしてくれたみたいに、今日も笑顔にしてくれた。
すごく懐かしくて、元気になった。
会場の外から出る人に紛れて、共に流れながら外に出ようとする。
が、少し喉が渇いたので、その流れに反抗するように私はホワイエの中になる自販機に向かった。
"ピッ"
"ピピッ"
その自販機ボタンを押して、缶が出る。
冷たい缶を取り出して、見つめる。
あの頃から変わらないパッケージ。
まるで私の心と同じだ。
私の気持ちも、あの頃から変わらない。
すると_
ふわりと身体が後ろに倒れて、走り出していた。
誰かに手を引かれたようだった。












『その缶ジュース、やっぱりあなたじゃん』










ああ、後ろ姿で分かっちゃう。










振り向いた彼。
ポッキー
ポッキー
久しぶり。
瞳が濡れた。

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