第32話

30.ミルクティー
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2024/07/26 13:51 更新
落ち着いた雰囲気のカフェで、おんりーと向かい合い座りながら、頼んだアイスミルクティーを飲んで息をつく。

とても美味しくて、お店のチョイスまで完璧だなと関心してしまう。

少し緊張が解けたのを見てか、おんりーが口を開く。
おんりー
おんりー
会えて良かった
ただ、それだけ。
それだけなのに、どくりと胸が鳴る。
(なまえ)
あなた
私も、会いたかった
自分を落ち着けるように視線を落とし、ミルクティーを見つめる。
おんりー
おんりー
パルクールマップ作ってくれたんだね。名前であなたさんかなって思って
おんりーは、ふふっと笑みを零した。
おんりー
おんりー
“足に矢を受けたポテト”って…
言われて、はっと恥ずかしくなった。
(なまえ)
あなた
き、気づいてもらうにはどうしたらいいか考えたら、それしか思い浮かばなくて…!
おんりー
おんりー
独特すぎてすぐわかったよ
ありがとう、見つけやすいように頑張ってくれて
くつくつと笑う彼の笑みは、優しいものに変わる。
おんりー
おんりー
おかげで会えたよ
ごめん、本当は俺から会いに行きたかったんだけど
彼の活動する世界からは、それがどれだけ難しいことか。
話を聞かなくても感じ取れた。
(なまえ)
あなた
ううん…気づいてくれてありがとう
彼の表情が、また穏やかに緩んだ。

こんなに表情を変える人だったっけ…。
おんりー
おんりー
実は、ドズルさんにも協力してもらってのことだったんだ
(なまえ)
あなた
え…!
おんりー
おんりー
どうしてもあなたさんと話したくて、信じてもらえるか分からないけどドズルさんに話したんだ。
マイクラの世界で出会った人に、もう一度会いたいことを
驚いた。
社長に話すほど、大きな話になっていたなんて。


でも、それはそうだ。
プライベートとはいえ、あなたは一応ひとりの視聴者である。

隠したまま会いに行こうとした時のリスクを、彼はしっかり考えていたのだろう。


彼は聡明で冷静な、立派な実況者だ。
(なまえ)
あなた
ドズルさんまで…。
迷惑かけて、私悪かったな
おんりー
おんりー
そうでもないよ
意外と楽しそうに話聞いてくれて、しっかり会って話してきなって言われちゃった
(なまえ)
あなた
それはなんと…
おんりー
おんりー
俺も、恐る恐るだったのにね
若いうちにできることやりな、みたいな感じだったと、おんりーは苦笑いした。

なんて信頼し合える仕事仲間だろうか。


そして、こちらの世界に戻ってきてからのことを、お互いにゆっくり話した。


時間と共にアイスミルクティーの氷は、すぐに溶けていった。


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