中川「この前連絡したビクトリーのものなんですけど」
監督「あービクトリーさんね。掛けてお待ちください今呼んできます」
綾野「君が今注目の華翔選手」
中川「華翔選手にお話がありまして」
中川「ビクトリーとマネジメント契約結びませんか?」
中川「やっぱりか」
綾野「やっぱりって?」
中川「噂で聞いてたんですよ。華翔選手がいくつものマネジメント契約を断ってるって」
綾野「そうだったの」
中川「話も聞いて貰えないのか」
監督「すいません。マネジメントの話ですよね。」
綾野「なんでマネジメント契約したくないかご存知ですか?」
監督「本人に聞いても何も言わなくて」
綾野「今日の練習見学させていただいても」
監督「それはもう全然大丈夫ですよ」
綾野「ありがとうございます」
先輩「楓早く繋いで」
監督「スピード上げてけ」
先輩1「早く動いてよ」
先輩2「今は自分で行けるでしょ」
中川「華翔選手ずっと怒られてません?」
綾野「思ってたより気が弱いのかも」
中川「華翔選手、お疲れ様です」
綾野「また来ますね」
中川「プレー中はあんなに弱気だったのにマネジメントの話になると強気ですよね」
綾野「マネジメントを拒む理由がきっとあるんだよ」
中川「でも話すらさせて貰えないんじゃ」
芳根「どうしたんです? 2人して頭抱え込んで」
中川「華翔選手が何考えてるのかわからなくて」
芳根「華翔選手って?」
綾野「現役高校生のプロバスケットボール選手」
中川「高校3年生で今1番注目されてるバスケ界の新星」
芳根「競争率高いってこと」
中川「違うんです。本人がマネジメントに興味ないって」
増田「声掛けてもらえるだけありがたいと思わなきゃ」
綾野「きっと何かあるんだと思うんですよね」
綾野「おはようございます」
綾野「もちろんです。なぜ華翔選手がマネジメントを嫌がるのかも気になりますし」
中川「待ってください。お願いします。理由だけでも教えてくれませんか?」
綾野「わかりました。今日のところは帰ります」
中川「なんで帰っちゃうんですか」
綾野「あのまま居たら気が変わったとしてもビクトリーと契約してくれない気がして」
中川「でも理由話してくれないなら分からないじゃないですか」
綾野「どうにかして理由聞けないかな?」
芳根「私ですか?」
綾野「頼めるの塔子ちゃんしかいなくて」
中川「男ふたりじゃダメなんです」
芳根「私が言って話してくれなくても何も言わないでくださいね」
芳根「初めまして私ビクトリーの深沢です」
芳根「まあ、マネジメントが嫌な理由だけでも教えて貰えないかな?」
芳根「理由聞かないと諦めきれなくて」
芳根「理由教えてくれないかな?誰にも言って欲しくなかったら言わないから」
芳根「じゃあまた夜来ますね」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。