〜ジェル視点〜
今日は莉犬ところんだけ予定が合わず、「4人なら桃鉄でもやるか?」とさとちゃんから声をかけられて、さとちゃんの家に集まった。
そうして、さとちゃんからコントローラーを受け取り、早速開始した。
開始早々俺は身体の異変に違和感を覚えたけど、桃鉄に集中し過ぎて全く気にしなかった。
勝ったり、負けたり。
その繰り返しで割と盛り上がった。
しかし、時間が経つにつれ段々身体が熱くなり、頭痛も伴ってきた。
俺はさとちゃんとるぅちゃんを交互に見た。
るぅちゃんは俺を見て何かを察したのか、すぐに持ってきてくれた。
さとちゃんがなーくんを慰めている間、るぅちゃんはテキパキと俺の看病をしてくれた。
俺は少し重い体をあげて、「鋭いなぁ」なんて呑気なことを思いながら、素直に休んだ。
俺の体調不良にいち早く気付いてくれた本人は、悪戯に笑った。
その笑みにいつものような爽やかさは感じられなかった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。