ちょっと狭そうだけど⋯。
あ、8人乗りなんだ。
そりゃ狭そうだわ。
絶対馬車に乗りたい。
え、そんなことある?!
ぴったりじゃん。すご。
やったー。
まだちょっと信じられないんだけど。
だって、何の乗り物で移動するかを決めようととしたときには、すごい意見割れてたじゃん。じゃんけんになるかと思ってたよ?これはこんな綺麗に決まるんだ。
確かに。
馬に乗ったことある人じゃないと。
お〜。またすぐ決まった。
ラール、馬に乗れるのか⋯。やっぱりラールが1番かっこいい気がする。
というか、もうウールーとティミドがめちゃくちゃ馴染んでる!?ウールーはあんな感じの明るい性格だからすぐに馴染むのも納得だけど、ティミドも意外と馴染んでるんだよな⋯。
さすがに馬車と同じペースでは走れないだろうから、目的地に着いたら馬車チームの俺たちがちょっと待つことになるな。ゆっくりできていいかも。
馬車には、前から順番に、右側にコメシ、ウールー、ヴェル、アンニュイニュー。左側にルロン、俺、ティミド、ミステールが座った。
で、馬車の右側でラパン、左側でファシールとパイクスが走っている。馬車と同じ速さで。⋯足速すぎる。すごいを超えて怖い。
そういえば、どこに行こうとしてるんだっけ?
乗り物を決めるのに時間がかかったから、忘れたな。
この馬車を引っ張ってる馬にはラールが乗ってるから迷子にはならないだろうし、どこでもいいか。
⋯俺、もうだいぶこの変な勇者一行の影響を受けてるな。前はこんな状況になったら「どこでもいいか」で済ませてなかったよな。いや、まずこんな状況になることがなかったけど。あ、だから実は、俺は元からこんないい加減な性格だったという可能性も⋯?!
だとしたら何か嫌だな。頑張って思い出そう。俺たちが今、どこに向かってるのか。


























編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。