第65話

chapter 64
3,314
2020/07/19 14:22
「…ゾム」

「待ってッ!!!!!!!!」

「ッ!」









兄さんside





「ぞ、む!」









やっと着いた。やっとや。やっと……









ゾムを思いっきり抱きしめた。









「ごめんゾムッ!!」









上がる肩。一度大きく深呼吸をする。









「…俺、ほんとに……遠い所にいるから、滅多に帰れへんなんて理由でゾムのこと知らんふりして…!」









薄々、分かってはおった。インカムでゾムに連絡しても反応はないし、国に回ってきた噂話とかでも、(噂にはすぎないが)幹部の仲が悪くなってきてるだの、ちょっと気づいとったとこはあった。









なのに俺はそんなん無視しとった。幹部なら、仲間ならすぐに駆けつけるはずなのに。









「ゾムぅっ…!俺、悪いことしたって!ずっと、後悔してたはずやのに、!ぜんっ、ぜん後悔なんてしてなかった…!」









後悔するにはもう遅い、なんて誰かが言ってたなぁ……その通りや……









「許されようとは思っとらん!けど…!俺は今まで国内での仲間の争いとかを1番見てきたのにっ、!結局俺が1番わかっとらんだ!」









「ゾムっ、ごめんっ……!」

プリ小説オーディオドラマ