…ん、……
あっ、寝てまった…
…6時か。ええぐらいかな…
俺は書類を数枚少し破いたり丸めたり、インクで汚したりした。
これでトントンは根拠があって俺を殴れるだろう。
ちょっとだけ、怖い。
けど、みんなのためって思えば、収まる…
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トントントントン
『トントーン、入るでー』
ギィ…
「…なんや。」
『書類!今日めっちゃ多かった気ぃする…』
「当たり前やろ。働かざる者食うべからず。お前はこの国に忠誠を誓ったんや文句言うな。」
『っ、ごめんて!』
「はァーっ、流石無能。ほんま、流石としか言えへんわ。こんなクソみたいな書類提出して…なァ?」
ジリジリのトントンは俺に近づいてくる。
『っ、…ん…』
「俺の仕事増やすな!」ドガッ
『ゔっ!!』
「キモイねん…はよ立てやァっ!!」バギッ
『ご、めんっ』タタタタタタタタッ…
怖い。怖い怖い怖い怖い怖い怖い。
あんなトントン…俺が好きなトントンちゃう…いやや、怖い。
俺から仕掛けたくせに。
俺ってほんま…
無能や。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。