第13話

【番外編】朝、起きたらうさぎに!?
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2024/03/24 11:25
千賀子
千賀子
ふぁああ……。 

もう、朝……。
平日の朝。

いつものように、目を覚ます。



千賀子
千賀子
顔洗おっと……。
洗面所に向かう千賀子。

すると……。驚きの自分の姿が鏡に映った。
千賀子
千賀子
ええっ……!!?
それは、うさ耳のついた頭、

うさぎになっていたのだった。
千賀子
千賀子
ど、どういうこと!?
耳がついてる……!

取れないよ~~
慌てて、自分の耳をもぎ取ろうとしても取れない。なんでこんなことに?
千賀子
千賀子
これは悪い夢なの??

会社に行かなきゃならないのに。
どうしよう……。
とりあえず、彼に電話してみることにした。

信じてくれないよね…??
千賀子
千賀子
おはよう。
紀伊さん、あのね…!
大変なことになったの!!
浩二
浩二
「おう。千賀子。……大変だって!?
どうしたの!?」
千賀子
千賀子
うぅ……。信じて貰えるか分からないけど、

私、う、うさぎになったみたい……。
浩二
浩二
「うさぎ!?……。悪い夢でも見たのか……。可哀想に。大丈夫。大丈夫。」
千賀子
千賀子
ホントなの!

ほら、見てみて……!
千賀子はビデオ通話に切り替え、
自身を映し出した。

その瞬間。浩二は驚きと、
……あまりにも破壊力のある可愛さに悶絶してしまったのだ。
浩二
浩二
「っえ……!!!
ほ、本当じゃないか……!!//////
(か、可愛すぎるっ……!!!)」
千賀子
千賀子
もう、こんなんじゃ会社に行けないよぉ……

どうやって誤魔化そう。
浩二
浩二
「そうだ。
帽子被って来たらいいんじゃないかな?

(1日休んだらって、言いたいところだけど、聞かないだろうからなぁ。)」
千賀子
千賀子
そうね!

いつものようにニット帽着ていこうかな。
浩二
浩二
気をつけてね!
千賀子
千賀子
うん!
身支度の後、朝ごはんを用意する。

なんだか、無性にアレが食べたいようだ。
千賀子
千賀子
にんじん……。

食べたいなぁ。

ご飯と味噌汁じゃなくて……。
無いかなぁ。
千賀子
千賀子
……ない。

おにぎりで我慢するかぁ。
ご飯の後は、帽子を被って外に出た。

耳を直し込んだので窮屈みたいだ。

自転車に跨り出発する。
駐輪場には、浩二の姿が。

心配だったようだ。

もしくは千賀子のうさ耳を見たいのか。
浩二
浩二
あっ、千賀子!

おはよー
千賀子
千賀子
おはよう!

ごめんね。嘘みたいだけど、本当なの。

裏に来て!
浩二を連れて、ビルの裏に行く。

ゆっくりと、帽子を取るとうさ耳がピンと立っていた。
浩二
浩二
っ……!!!

(かっ……///可愛いぃぃ〜っ……!)
千賀子
千賀子
(こんなに驚いている紀伊さん初めて。……顔も赤くして。)

はぁ。本当だったでしょ??
浩二
浩二
う、うんん!!///

いやぁー。びっくりだ……。

どうしよっか。
オフィスでも帽子被ってたら違和感だよなぁ。
千賀子
千賀子
そうなの……!それが問題なの。

何か言い訳しなきゃ。
浩二
浩二
とりあえず、包帯まこうか!

その方が自然だよ。ほら、持ってきたからさ。
千賀子
千賀子
うんっ。

ありがとう。
頭に包帯を巻き、
2人はオフィスへと上がった。
山中
山中
おはよう。……って、あれっ……!?

怪我したの?
千賀子
千賀子
はい……。

自転車で転んだんです……。
(嘘だけど…)
山中
山中
お、お大事に……

(心配だな……。
いやいや!こんな女の心配なぞしない、っ……。)
千賀子
千賀子
ありがとうございます……。

(気付かれないみたい。
でも、良心が痛むなぁ。仮病なんだもん。)
岩永主任
岩永主任
おはよう。

あら……!?あなた、その頭は!?
事故にでもあったの?大丈夫!?
岩永主任も駆け寄り、
心配気な顔で千賀子を見ていた。
千賀子
千賀子
事故というか……、自転車で
転んでしまったんです。

もう、傷もそんなに深くないので
大丈夫です……!
岩永主任
岩永主任
そう……。

ほんとに無理しないでね!
千賀子
千賀子
はいっ!
すると、今度は橋田が
駆け寄って来た。

素っ頓狂な声を上げ、驚く。
ジャスティス橋田
ジャスティス橋田
千賀子ーっ!

えっ!?大丈夫ー〜!!??
千賀子
千賀子
大丈夫……!

ごめんね、心配かけちゃって。
ジャスティス橋田
ジャスティス橋田
今日はなんでも手伝うからさ!
遠慮なく言ってね🎶
千賀子
千賀子
うん!ありがとう!
そんなこんなで、
何とか午前中の仕事を終えた。

昼休憩になった。
浩二
浩二
なあ、千賀子!

大丈夫だった?
バレなかった?
千賀子
千賀子
うん大丈夫だったよ。
それよりね、皆心配してくれたの。
申し訳なかったけど、バレなかったよ。
浩二
浩二
そっか!
良かった。お昼、
一緒に食べようか!
千賀子
千賀子
うんっ。食べよう!
2人は屋上に行く。
今日は良い天気。

千賀子はコンビニで親子丼を買ったようだ。

浩二は、野菜炒めを持ってきていた。
浩二
浩二
美味しそうだね。

よし、俺も食うかー。
千賀子
千賀子
"もぐもぐ"
(へー。紀伊さん料理するんだぁ。)
浩二
浩二
……?

(千賀子がさっきから俺が食べてるの見てくる?……///なんだか照れる。)
千賀子
千賀子
……。
(なんだか目が離せない!……うぅ。)
浩二
浩二
……。

(可愛い///……欲しいのかな?……あ!もしや……)
浩二は自身の野菜炒めに、
にんじんが入っていることに気付いた。

そういうことか!
浩二
浩二
もしかして……。

にんじん欲しい??
千賀子
千賀子
ビクッ


う、うん///美味しそうだなって……。
浩二
浩二
(あぁ!もう可愛いぃぃ////)

少しあげるよ。
ほら、あーんして……。
千賀子
千賀子
えっ///

あーん……。
彼が千賀子に、にんじんの端を運ぶと、
パクンと頬張る。

頬を膨らませながら咀嚼するその姿。

浩二は愛おしすぎて、堪らないようだ。
浩二
浩二
おいしいね。良かったねぇ。

(可愛いすぎるぞ、おいっ!///)
千賀子
千賀子
ありがとう。

美味しかったよ。
浩二
浩二
ぁあ。

今日は仕事しないでずっとここに居たいなぁ。
千賀子と一緒にさ。
千賀子
千賀子
なんか恥ずかしいよ///

浩二
浩二
ほんとだよ。

にんじん、美味しかった?
千賀子
千賀子
うんっ!……美味しかったぁ
浩二
浩二
(可愛いなぁ。)
午後から会議がある。

いつものように役員メンバーが集まった。

山中
山中
では、会議を始めよう。

来年度の予算だが…─
会議の参列者は、主任、
マネージャーの山中、千賀子、浩二の4人。

千賀子はバレないように、
1番端の席に座っている。

その隣に、浩二が座った。
浩二
浩二
(あぁ、バレないようにせねばな。まあ、よっぽどでない限り千賀子の包帯は解けないよな…?)
千賀子
千賀子
(うぅ…。なんだか頭がムズムズしちゃうよ…。うさ耳折り曲げて包帯巻いてるから、ちょっと窮屈だなあ。)
暫く経った頃。会議は後半になり、 
ソワソワする千賀子を横目に気になったのか、
主任は一声を挙げた。
岩永主任
岩永主任
山田さん。

体調でも悪い?
千賀子
千賀子
あっ、いいえ…!

なんでも御座いません。
お気遣いありがとうございます。
岩永主任
岩永主任
そう…。

今日は早めに切り上げましょう。

予算の方針もほぼ確定しましたしね。
山中
山中
…。

ああ。そうしよう。
(千賀子…、なんか怪しいな。
怪我ではないような気がする。もしくは、髪型に失敗したとか?)
千賀子
千賀子
(ふぅ。良かった…!
早くトイレに行って包帯を解放したいよ)
千賀子は真っ先に会議室のドアを開ける。

その真後ろに山中が。

やたらじーっと彼女を見つめていた。
山中
山中
千賀子
千賀子
…??

どうしましたか?
山中
山中
いや、
よかったらこれ貰ってくれ。
山中は、人参のカップケーキを
渡してきた。

突然のお菓子のプレゼントに、急すぎて
千賀子は驚いた。

あの彼が急にお菓子なんて。
千賀子
千賀子
あ、有難うございます!

うわぁあ!嬉しいなぁ…!
山中
山中
…///

ただ、お見舞いの気持ちだ。

くだらんことで喜ばんでよい。
千賀子
千賀子
今、食べていい?
山中
山中
いいけど…。

(こんな千賀子初めてだ。俺に対して…。
っ…!可愛いと思ってしまった…。調子狂うな。)
千賀子
千賀子
いただきまーすっ
千賀子は嬉しそうに目を細めながら、
人参のカップケーキを口にした。


次の瞬間。包帯が解けてしまった!!
千賀子
千賀子
あっ…!!

山中
山中
何っ!?

う、うさぎーーっ!?
千賀子ピンチ!

一体どうなる?!

次回に続く

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