平日の朝。
いつものように、目を覚ます。
洗面所に向かう千賀子。
すると……。驚きの自分の姿が鏡に映った。
それは、うさ耳のついた頭、
うさぎになっていたのだった。
慌てて、自分の耳をもぎ取ろうとしても取れない。なんでこんなことに?
とりあえず、彼に電話してみることにした。
信じてくれないよね…??
千賀子はビデオ通話に切り替え、
自身を映し出した。
その瞬間。浩二は驚きと、
……あまりにも破壊力のある可愛さに悶絶してしまったのだ。
身支度の後、朝ごはんを用意する。
なんだか、無性にアレが食べたいようだ。
ご飯の後は、帽子を被って外に出た。
耳を直し込んだので窮屈みたいだ。
自転車に跨り出発する。
駐輪場には、浩二の姿が。
心配だったようだ。
もしくは千賀子のうさ耳を見たいのか。
浩二を連れて、ビルの裏に行く。
ゆっくりと、帽子を取るとうさ耳がピンと立っていた。
頭に包帯を巻き、
2人はオフィスへと上がった。
岩永主任も駆け寄り、
心配気な顔で千賀子を見ていた。
すると、今度は橋田が
駆け寄って来た。
素っ頓狂な声を上げ、驚く。
そんなこんなで、
何とか午前中の仕事を終えた。
昼休憩になった。
2人は屋上に行く。
今日は良い天気。
千賀子はコンビニで親子丼を買ったようだ。
浩二は、野菜炒めを持ってきていた。
浩二は自身の野菜炒めに、
にんじんが入っていることに気付いた。
そういうことか!
彼が千賀子に、にんじんの端を運ぶと、
パクンと頬張る。
頬を膨らませながら咀嚼するその姿。
浩二は愛おしすぎて、堪らないようだ。
午後から会議がある。
いつものように役員メンバーが集まった。
会議の参列者は、主任、
マネージャーの山中、千賀子、浩二の4人。
千賀子はバレないように、
1番端の席に座っている。
その隣に、浩二が座った。
暫く経った頃。会議は後半になり、
ソワソワする千賀子を横目に気になったのか、
主任は一声を挙げた。
千賀子は真っ先に会議室のドアを開ける。
その真後ろに山中が。
やたらじーっと彼女を見つめていた。
山中は、人参のカップケーキを
渡してきた。
突然のお菓子のプレゼントに、急すぎて
千賀子は驚いた。
あの彼が急にお菓子なんて。
千賀子は嬉しそうに目を細めながら、
人参のカップケーキを口にした。
次の瞬間。包帯が解けてしまった!!
千賀子ピンチ!
一体どうなる?!
次回に続く
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。