パラレルワールドへの入口─
会議室の前に、突如、
謎に満ち溢れた看板が。
山中は入ってみることにした。
足を踏み入れた瞬間。
眩しい光が彼を包み込む。
気が付くと、会社のビルの前に居た。
ふと、スマホを見る。
4月1日の朝8:25分だ。
3ヶ月前の過去に戻っていた。
次の瞬間。
着信が。橋田からだ。
橋田の言うように、本当に過去の、
しかも、パラレルワールドに入ったみたいだ。
つまり。
浩二と千賀子が結ばれない世界線である。
山中は千賀子の服装に目をとめた。
シースルーのシャツにキャミソールを着ている。
彼女の手を握り、人気のない給湯室に走った。
彼女は一気に顔を赤らめた。
しかも、綺麗な顔を俯かせ、
口の端を固く噤む。
何とも可愛らしい反応に、
戸惑いを隠せなかった。
彼女に口付けをしながら、頭を撫で、
両腕で身体を抱擁する。
唇同士がゆっくりゆっくりと、
擦れ合う。
お互いの熱い体温が伝わる。
パラレルワールドで、山中は本性を出す。
果たして、心ゆくまでイチャイチャ出来るのか??
それとも…。
次回に続く。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。