無事にお城での写真を撮った後、お昼を食べると
またアトラクションへと向かう .
絶叫系へと臨んでいれば、めずらしく先輩が足を止め、
私の腕を引っ張った
そう言われて横を見れば「 恐怖の館 」だなんて
血文字で書かれた、いかにもな感じの建物
嫌です、と答えるよりも早く、先輩はとてつもなく
楽しそうに私の手を引っ張って入り口へと向かっていった
暗闇の中、ガタリと音が鳴る度に
先輩の腕へとすがりつく
ほ、ほんとに無理 … !
先輩の手は絶対離すまいときっちり握っている
私と違い、先輩は余裕そうに何の反応もせずに
悠々と歩いていた .
懐中電灯を照らしながら先へと進む
そしてもうそろそろ出口かな、だなんて
油断していた私を、物陰から何かが襲ってきた
いきなり飛び出してきた般若のような
それに、私は先輩の腕を掴んだまま
全速力で出口へと駆け出す .
「 おつかれさまでした − 」という声と同時に
外へと飛び出すと、肩で息をしながら足を止めた
ちらりと後ろを見て、
もう追ってきていないことを確認する .
後ろに誰もいないことに心底安心していたら、
隣で先輩はいきなり笑い出した
お腹を押さえて笑う先輩に、
はっと自分の行動を思い出した
笑いが収まらない先輩を見て、
先輩は私が怖いの苦手だって
薄々気付いてたのにここに入ったんだ、と理解する
さすがにむっとしていれば、
ごめんごめんとぽんぽん頭を撫でられた
お詫びに、とアイスを奢ってもらい、
絶叫系へと向かう .
きゃーきゃーと浮遊感に声をあげること数回
気付けばもう日が暮れ、
夜にある光のパレードの時間へと近づいていた
「 行きましょう ! 」と先輩の腕を引いて
観覧車のある場所へと向かう .
大勢の人とすれ違いながらもたどり着けば、
案の定観覧車には数人の人しか並んでいなかった
観覧車に無事に乗り込んでそう言えば、
外を見ながら納得したらしい先輩 .
しばらくすると、大きな音楽とともに
パーン と大きな花火が上がった
下で見るよりも迫力のある花火と、
園内全体を照らす明かりに感動する .
すごいなぁ、と眺めていれば先輩が口を開いた
向かい合って座っていた私は、
先輩の隣へと移動する .
窓の外を見れば、確かに私の1番好きなキャラが
光に照らされ踊っていた
自慢げにそう言って先輩の方へ顔を向ければ、
窓の外を見てると思っていた先輩は、
何故かこちらを向いている .
もしかして、横顔見られてた ?
恥ずかしくて顔を伏せようとするけれど、
頬に添えられた手によってそれは叶わなかった
どきどきと高鳴る鼓動と比例して、
近づく先輩と私の距離 .
そっと目を閉じれば、優しく触れるだけの
キスが私の唇へと落とされた
唇が離れると、恐る恐る目を開ける
先輩の方を見上げれば、私を見つめていた
先輩と目があった
ちゃんと聞いててくれたんだ
きゅん、と胸の辺りが疼く
窓の外を見ながらぶっきらぼうに言った先輩
その耳が赤く染まっていることに気付いた
私は「 … はい 」 と微笑みながら頷いた















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!