第5話

転校初日はピンクヘアと共に
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2024/07/18 02:00 更新





チリリリリリ...




深澤辰哉
ふわぁ...



2度目の目覚ましは妙に俺の頭に響いて、大きく欠伸をすると俺はのそりとベッドから降りる。

あれから3時間、隣の照って奴は帰ってこなくて未だにベッドは綺麗なまま。

この無駄に広い部屋も一人じゃなんだか寂しく感じてしまう。




深澤辰哉
朝ごはんは確か7時半までだっけ...間に合うかな



急いで新品の制服に着替えて、洗顔と歯磨きを済ませると、鍵をにぎりしめてコンクリート質の階段を降りる。
カンカンと鳴る足元はなんだが新鮮。


深澤辰哉
おはよーございます
宮舘涼太
セーフだね、トーストでいい?
深澤辰哉
うん、ありがとう



昨日は大騒ぎだった空間も、一晩すれば爽やかなレストランに様変わり。
ソファー席の一角に腰掛けると、斜め前には眠たそうにしている館さんの幼馴染の姿が。




渡辺翔太
よく眠れた?
深澤辰哉
うん、翔太は?
めっちゃ眠そうだね
渡辺翔太
いくら寝ても眠いんだ。
学校もめんどいし


ハムとチーズがのったトーストを噛りながらダルそうに返事をする翔太。朝は弱いのか、制服のシワとヘアセットからその様子がうかがえる。



深澤辰哉
あれ、学校違うんだ
渡辺翔太
ん?...ああ、涼太と俺は隣町の私立高校。
そっか、ふっかは須野高ね
深澤辰哉
制服でわかるもん?
渡辺翔太
見慣れてるからな、そのだっせぇ制服♡



うげっ、男の甘ったるい声はなんだか吐き気がする。
にこりと微笑んで翔太は立ち上がると、キッチンの館さんにひと声かけて先にレストランを出ていった。


宮舘涼太
俺も先に行くね。食べ終わった食器は置いといてくれればいいから
深澤辰哉
あ、うん



なんだぁ?この幼馴染は妙に壁を感じる。
他人だけど、物凄く他人行儀の館さんと本性隠してそうな口の悪い翔太。
それに加えて帰ってこない同居人もいるし、とっても息がしづらいよ。



深澤辰哉
俺も行かないとね










..........









某県立須野高校。

始業時刻は9:20だからまだ人は疎ら。
転校初日だし、早めに来たはいいけど職員室ってどこだっけ。





深澤辰哉
んっと...てかここどこよ



下駄箱を通って適当に階段を上がったはいいが、目に入るのは国際教室とか部室とか全く当てにならないものばかり。



キタキタキタっ、今月の一番くじもA賞ゲットだ!!聞いてよ、部長!!


とか言って、隣を猛スピードで駆け上がる生徒が1人。ピンクヘアで身長低めの男子生徒だ。


「おーい、嬉しいのはわかるが走って来るなよ...」




だって俺の嫁のフィギュアだぞっ!!
部室に飾る!!



「部長には敬語を使えって...佐久間・・・








わかってますよぉ...んじゃ、俺は教室行くんで



んん...?
佐久間って言ったか、この部室の中から聞こえる声の主は。それに「アニメ研究部」って、如何にもアイツが好きそうだ。



深澤辰哉
ねぇ...そこの人...?
ん?なんだぁ?誰、お前
深澤辰哉
...佐久間大介だよね?
佐久間大介
にゃ?そうだけど...
深澤辰哉
やっぱり!俺だよ、深澤辰哉!



そう名乗ると佐久間は目を見開いて、持っていた箱を床に置くと両腕をばっと開いて抱きついてきた。


佐久間大介
えぇっ!?ふっか、いつから来たのっ!?
めっちゃ久しぶりじゃん!!
深澤辰哉
昨日ここに引っ越してきたんだ、雪男荘ってとこに住んでる
佐久間大介
あー、あの下宿屋ねぇ...。
そっかそっか、再会できてめっちゃ嬉しいぞっ!!



佐久間大介、高3。
俺たちが小学生の頃仲が良かったが、親の転勤で俺が引っ越してしまってそれっきり。
アニメオタクで元気ハツラツ。
全く変わってなくて安心したよ。



佐久間大介
また一緒に遊ぼうぜっ!
んじゃ、俺は急ぐから!


とか言ってどたどたと廊下を走って行く。


深澤辰哉
うわぁ、嵐みたいな奴笑


さぁてと、俺も急ぎますかね。



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