第6話

煙草の味
747
2023/07/28 08:58
※ほんの少しだけ淫猥な表現があります。過激なものではありませんが、苦手な方はご注意ください。

※これらは作者の見解です。数多のBL小説を読み漁った者の「ほんの少し」は当てにならないかもしれません。
あなた
え、私も行くの!?
そこまでは考えていなかったけど。

確かに日本でのローレンの様子も気になるかもしれない。

顎に手を当てて熟考する。
🗝💸
それは嫌か流石に。
ローレンが落胆したように、眉尻を下げて唇を尖らせた。

そんな子犬のような顔をされては嫌とは言えない。
あなた
ううん。行きたいな、日本。
するとローレンの表情が明るくなり、嬉しそうに笑った。

この無邪気な笑顔がたまらなく愛おしい。

口元が緩み、ついローレンの頭を優しく撫でてしまう。
🗝💸
んん何これ子供扱いされてる?今俺。
あなた
まあ子供っぽいところはあるよね。
するとローレンは不服そうに口元をひくつかせた。

まずい。

怒らせてしまっただろうか。
🗝💸
流石にぷっちーんかこれ。
あなた
え、なにそ、れ!?
突然ローレンに押し倒される。

反射でローレンの身体を押し返そうとするも、両手首を彼の片手で捕まれて身動きが取れない。

彼は私の顎に手を添えて、口付けを落とした。

あまりにも突然で目を見開く。

しかしすぐに口付けの甘さに絆され、目を瞑った。

胸の鼓動が早まり、一回一回が強く重たく感じられる。

この感覚にはまだ慣れそうもない。

その後うっすらと目を開くと、彼が目を細めて私の瞳をじっと見つめていた。

彼は口付けをする時いつもうっすらと目を開いている。

愛おしそうな、どこか意地悪な瞳。

すると突然彼がほくそ笑み、無防備に開いた私の口内へと舌を入れた。

え。

待ってこれどうしたら。

嫌ではないけど心臓が持たない。

彼は慣れたように私の舌を自分の舌先で優しくなぞる。

初めてでどうしたらいいのか本当に分からない。

とりあえず私も彼の真似をしてみようと、舌先で彼の舌をなぞった。

今度は彼が私の舌に自分の舌を絡める。

甘く卑猥な水音が私の耳を支配した。

頭がぼんやりする。

上手く息ができない。

すると彼は察したのか、唇を離す。

初めての深い口付けは煙草の味がした。
🗝💸
えっっっろ。
口元で手を覆い、堪らないと言いたげな視線を私に送る。

そんなにみっともない顔をしているだろうか。

恥ずかしさで顔を覆いたいのに、ローレンに手首を掴まれているためそれも叶わない。

彼の顔には、ほれ見たか俺は子供じゃない、と書かれている。

やり返したつもりなのだろうか。

…だったら私も少しからかってみよう。
あなた
…慣れてたね。
しかし私の思惑とは裏腹に、彼はさらに嬉しそうな笑みを浮かべた。
🗝💸
なにまた嫉妬しちゃった感じか。
…図星であるからなんとも言えない。
🗝💸
じゃあ所有の証つけん?お互い。
あなた
所有の証?
私ものじゃないよ。
🗝💸
私のローレンなのに…っ!て言うとったやんさっき。
ぐうの音も出ない。

恥ずかしさで顔から火が出そうだ。

するとローレンが私の手首を離し、腰を上げてどこかへ行ってしまう。



…首輪を持ってきたりしないだろうか。

組織でもそんなことされなかったのに。

そう不安に駆られていると、すぐに彼が戻ってきた。

身体の後ろで何かを隠し持っている。

どうか首輪ではありませんように…

彼が私の目の前でしゃがみこみ、隠し持っていたものを差し出した。
あなた
え、指輪?
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