.
こんにちはー!という元気な声に
はぁーい、と気怠げに返事をすると
そこには変装した大人気アイドル二人、
もとい、常連客の二人の姿があった
元気に大声で挨拶したら
変装の意味がないと思うんだけど
百「あれ!?あなたちゃん!?
今日平日だけど学校は!?」
『サボり』
千「なんだ、不良だな」
『行きたくないし、
授業日数も足りてるし
義務教育じゃないんだから別にいいでしょ』
両親も別にいいと思ってるから
こうして店の手伝いをさせてるわけだし
百「なんか昔のユキみたいで可愛い!」
千「ちょ、僕は真面目に行ってたよ
たまに休んだりしたけど」
百「曲作ってたんでしょ?
うっ、ダーリンイケメン…!」
『ケーキのショーケースの前で夫婦漫才しないでくれる?』
忘れてた、とケーキを選んで
カフェスペースに持ってきて!
と百さんが頼んだ
今日は時間があるのか
なんてぼんやり考えながら会計を済ませ
ケーキを皿に移して
飲み物の準備をした
百さんはすぐ席へ向かったのに対して
千さんはうちの母親と軽い立ち話をしていた
本当にバラバラだなこの人達
話し終えたタイミングで
百さんが待つ席へ向かう千さんの後に続いて運んでいくと
千「はい、あなたちゃんはここ」
と椅子をぽんぽんと叩いた
『は?いや仕事、』
千「さっきお母さんに
この時間だけあなたちゃん借りるって言っておいたよ
だから大丈夫でしょ」
思わずお母さんを睨むと
ごゆっくりと言わんばかりの笑顔が返ってきて
仕方なく椅子に座る
『で、大人気アイドル様が私になんのお話でしょう?』
.












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!