あなた 視点
『合同任務、、』
お布団を手で握りしめながら、今日あった事を思い出していた
「あなた、すごいじゃないか。上級生と合同任務なんて」
孫兵が仕切りの向こうから話しかけてくる
『すごくなんかないよ、孫兵。だって、これは私が悪い事をしたからこうなったんだから』
「あなたが選ばれたのは、それだけが理由じゃ無いんじゃない?」
そう言ったかと思えば、布団を出てこちらの布団の
上に座った孫兵
『孫兵?』
「お前はいつも悲観的過ぎるんだよ、もっと肩の力を抜きなよ」
『肩の、、ちから』
はぁ、と息をついた孫兵
「仕方ないな、一緒に寝てあげるから早く寝なよ」
そう言ったかと思えば、私の布団に潜り込んできた孫兵
『なっ、』
待って待ってお願いします孫兵さん。私をショタコン野郎にしないでください。まじでお願いします、しぬしぬしぬ、あーーなんかいい匂いする。野生の中の1輪の花の様な匂いがするよーーもういいわ嗅ぎに行くよ
『…』
「いつもこのくらい素直になってくれたらいいのに」
本当に仕方ないなぁ、とかよく分からん事を言っている推しを置いておいて、匂いを嗅ぐ。
『ッず、ぅッ、あ、』
やっべ、やったやったやりました。
鼻かんだみたいな音出たぞ。どうすんだ
「大丈夫だよ、僕がいるから。なんにも怖いことなんかないから」
『ッ、?!!』
目をがんびらくも、見られないように即座に布団に潜り込む
『(なになになになにすき、見た??みた?今までにないくらい優しい顔してたよ孫兵。産んだのか?)』
あまりの勢いの強い尊さが私に押し寄せる。
『ッ、ぅぅ゛』
孫兵と兄属性は混ぜるな危険だ、ベイベ……
「あなたはいつになったら、僕たちを頼ってくれるんだ」
「あなたが死にかけた時だって、僕たちはダメだって言われて会えなくて、支えることも出来なかった」
私があまりの尊さに悶え苦しんでいたら、孫兵がそう小さな声で言った。
『そんなことない』
「あなた……別に無理して言わなくたって」
そう悲しそうな声で言った孫兵
私はガバッと布団から起き上がった
「うわっ!?なに、どうしたのあなた?」
動揺する孫兵の手を握りしめた
『孫兵も他の三年生の皆も、私にとって本当に大事な人達なんだ。だから、君達が聞いて少しでも嫌な思いをするなら言いたくないって思っていたのだ』
『でも、でもね、』
驚いていた顔は直ぐに消え去って、私の顔を真剣に見つめる孫兵
『もし、皆が聞いてそれで嫌な思いをしてもいいって言うなら、それでも聞きたいって言うなら。私はいつかみんなに私の事を話したいと思うんだ』
「……あなた」
『話すからなんだって話だよね、ゴメン』
いや実際なんでそんな私の過去知りたいのかはよく知らんけど。
あの時はセンチメンタルだったからであって、本当に虐待されてたのは父に会わない限り平気なのに
「そんなことない!!」
掴んでいた手を、両手で握り返されながらそう言われる
「僕たちは皆、あなたの事を大切に思ってる、だからあなたの事ならなんでも知りたいよ」
それが、あなたを救う手がかりになるかもしれないから。そう言って、俯いてしまう孫兵
『ま、孫兵』
自分は別にもう辛い訳じゃないし、手助け必要な訳でもないぞ。(前世の事はもう吹っ切れているし、虐待についてはもとより気にしていない)
と言うために孫兵の顔を見ようとしたら勢いよく抱きつかれた
『まっまごへ、、孫兵?!』
「見ないで、しばらくこうしてて」
グリグリと頭を肩に押し付けられる
ど、どうしたらよいかのぉ??
あやばい、心のババアが這い上がってきたぞ、抑えろ抑えろ
仕方ないじゃん。あまりにも孫。産んだ??
「僕は、お前のためならなんだってするよ」
「、、ジュンコ以外で初めてなんだ、こんな気持ち」
鼻をすする音が聞こえる。
「だからしっかり責任とって。ばか」
『……』
『!!!????』












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。