小声で耳元に囁かれた声に頷く 。
廃れたビルの4階 、
数人の男が集まって談笑している場面を 、
私たちは俯瞰して見ている 。
湊さんの大きな手がそっと肩に添えられる 。
迎え入れられた時よりは大きくなった手で
拳銃をグッと握りしめ 、 コクリと頷いた 。
ドン 、 と大きな音 。
私の手には発砲後の煙をあげる拳銃 。
途端に騒がしくなる階下と湊さんの
へらりとした声 。
わぁん 、 と声を上げながら確実に相手を
撃ち抜く星川さんに 、
弁明のような言い訳を叫ぶ 。
震える手で弾を装填しなおし 、
私の方に一人向かってくる男に銃口を向ける 。
落ち着いて 、 腕を伸ばして 、 トリガーは
直前まで指をかけない 。
照準が合ったのを確認して 、
指をトリガーにかけて力を込めた 。
ドン !!
書類を見ながら私を見やる楓さんの前で 、
正座しながら冷や汗を垂らす 。
にっこりしている楓さんも怖いけど 、
何より怖いのが後ろの圧 。
強い 。 あまりに圧が強すぎて潰れちゃう 。
油が固まったブリキ人形のように
ギギギ 、 と固い動きで振り返る 。
くずは様の紅い瞳がギラギラと輝いて 、
「 ひぇっ 」とまた声が漏れた 。
言い訳を並べていた口がピタリと止まる 。
不自然な程の満面な笑みでくずは様が
私の頭をガシリと掴んだ 。
くずは様に拾われて3年 、
私は依然変わりなくポンコツです 。
NEXT ❥⋯▶︎








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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!