_ルビーside_
あなたが許さないと連呼し始めてから攻撃の手が強まって完全に押されてる
キラは気絶して、ザキはもう動けそうにない
紫霊も根性で立ってる状況
…俺ももう魔力が尽きる
砂埃から、ボロボロになった姿のあなたがペタペタと歩いてくる
ぶっちゃけそんなにあなたが強いわけじゃない
冷静を失っているやつの行動パターンは一定だ
でも
あなただから
苦しそうなその顔に、大事な人に
思いっきり叩き込むなんて俺には
なッッ!!しまった
あなたは既に気を失っているキラの前に手を振りかざしている
キラが殺られる
俺らがキラを助け出す前に、あなたが手を下した
キラも失って、あなたも失うのか
でもその時は来なかった
ピタッとあなたが止まったのだ
目から透明の水を流して
泣いているあなたの脇腹に蹴りを入れ、キラから距離を離す
あいつ…泣いてるのか?
ナツキと紫霊はずっと攻撃の手を緩めない
…あいつに仲間を殺させてたまるか
また、走った
_あなたside_
いたいつらいいたいつらい
殺そうと思った
もういいって思った
キラもザキも紫霊もルビーも
師匠も
うそつきだった
裏切られた
でも殺せない
あいつらの笑顔が消えない
言葉が、仕草が、匂いが、声が
全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部
死ぬのはやっぱり俺でいい
嘘だったとしても、
虚像だったとしても、
俺は間違いなくここに居て幸せだった
師匠に戦う術を学んで、4人の笑顔に囲まれて
嘘でも
あいつらが俺の事嫌いでも
幸せだった
ごめんね、
キラ、ザキ、紫霊、ルビー、師匠
強くなったね、
とっくに魔力は底を尽き、体から溢れ出す闇だけで立っている
4人の人生滅茶苦茶にしちゃってごめんね、
師匠の剣が背中を引き裂く
ルビーの弾幕が手に当たり、手が焼き焦げる
紫霊の打撃が顔をかする
ザキの悲鳴に似た声が耳を劈く
目が覚めたキラの目を向いた顔が目に映る
バラバラに割れた鏡に映った私はもう長くない
“俺”の仮面ももう外されようとしている
ついに“私”は
膝をついた













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。