僕とさとみくんで食堂へと向かい、端の方の席で僕が何をしていたか。とか、夢の内容とかを話したりした。
もちろん、るぅとくんの名前は伏せた。
僕はずっと引っかかっていたことを質問した。
彼は少し驚いた顔をして、
と。
いや、みんな知らないでしょ…
女子たちは別として。
さとみくんは、急にスマホを取り出して、何かを調べ始めた。
たしかにそうかもしれない。
現に僕は、るぅとくんのあの笑顔を見て、るぅとくん自身とどう接すればいいかをずっと考えてた部分はある。
それほどピュアなんだろうな。
と、笑いながらさとみくんは席を立った。
そうだった。
話に夢中で今が夜中だということを忘れていた。
さとみくんはニカッと笑いそのまま帰って行った。
僕が食堂の席に座ったまま俯いていると、ガタンっと前の椅子に誰かが座った。
もしかして、うるさくて注意しにきたのかな…
僕はさっきまでさとみくんとしていた話の内容を思い出し、上手く喋れないでいた。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!