第186話

【無防備】2(大仁)『リク』微R?
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2024/06/20 00:30
仁side

今日は3人で大地の家に泊まりをする予定だった。
だが縦人が急用だとかで俺と大地の2人きり。

正直、縦人に感謝してしまった。
恋人と2人きりなんて、俺にとっては嬉しいから。
仁
(そんなこと
言ってやんねぇけど)
そんな事を考えながら大地の家の
インターフォンを鳴らす。


『ピンポーン』



大地
大地
はーい!
返事があって少ししてから、大地がドアを開けた。
大地
大地
仁!結構早かったね
仁
荷物取り行くだけだからな
本当は急いで来た、
って言ったら大地は喜ぶのだろうか。
…恥ずかしいから言わないけど。
大地
大地
そっか!
とりあえず上がりなよ
仁
あぁ、邪魔する
俺は大地に続いて家に上がった。
仁
(2人きり……)
ご飯も食べて風呂を先に進められた俺は
湯船に浸かりながらぼんやりと考えた。
仁
(2人きりだとしても、
何にもないんだろうな)
今まで2人きりになるタイミングは
ちょこちょこあった。
だが、大地とそういう事をするのは
ほとんどない。

なんなら大地の家で2人きりの泊まりだなんて
初めての事。

ほんの少し…ほんの少しだけ、
期待とかしてみたり。
仁
……ない、か
考えたら少し寂しくなった。
付き合ってから3ヶ月。
大きな進展もない俺達は、いつ進展するのだろう。
仁
……焦っても仕方ねぇ
俺はあまり考えないようにして、
湯船から上がった。
仁
大地、上がった
リビングに行くと大地は本を読んでいた。
大地
大地
お、上がった?
俺が声をかけるとパッと顔を上げる。
すると、
俺を見てほんの少し大地の目が見開かれた。
仁
どうした?
大地
大地
ん、あ、なんでもない!
俺も入ってくるね
仁
あぁ…
どこか焦ったように風呂場へ向かう大地に少し
疑問を抱きながらもソファに座った。
仁
(そういやこの姿
初めて見せたな)
お風呂上がりはいつもタンクトップだけを着る。
そして寒い日以外そのまま寝ることが多い。
楽だし寝やすいから。
仁
大地の風呂上がりは、
どんなのだろうな……
ソファに寝転んで、俺はぽつりと呟いた。
大地の風呂上がりの姿に少しの楽しみを抱いて。
大地side

俺は湯船に浸かりながら仁の姿について考える。
大地
大地
(あれは反則でしょ…)
お風呂上がりで少し赤くなった頬。
タンクトップから見える綺麗な肌と鎖骨。
まだほんの少しだけ湿った髪。

全部が仁の良さを引き立てて、
いつもより色っぽかった。
大地
大地
…我慢、出来るかなぁ……
ため息をつきながら俺はそう言う。

俺は仁を大事にしたい。
お互いまだ高校生だし男同士。
いくら俺がキスやそれ以上の事をしたいと
思っても、仁がどう思ってるか分からない。

真っ直ぐに想いを伝えすぎるのも、良くないから。
大地
大地
…上がろう
俺は気合いを入れ直してお風呂から出た。
大地
大地
仁〜、上がっ…た…
俺はリビングにいた仁を見て固まってしまった。

誰が予想できただろう。
タンクトップ姿でソファに寝転んでいる仁が
いるなんて。
しかもお腹が少し見えて腹チラ状態。
仁
?大地?
コテ、と首を傾げた仁に、
俺は何かが切れた音がした。
仁
おい、どうし
『ドサッ』
仁
は…?
気付けば、俺は起き上がろうとする仁のことを
押し倒していた。
仁side

状況を整理しよう。今何が起こっている?
仁
(大地が風呂から上がって
俺を見て固まって、それで)
それで、今押し倒されている。
仁
…だい、ち?
大地
大地
…仁、無防備すぎるよ
仁
大地は困惑する俺の目を真っ直ぐ見ながら言う。
大地
大地
恋人の家に2人きりで
タンクトップ姿で
ソファに寝転んでてさ?
危ないと思わなかった?
仁
なにが……っ!?///
気付けば、俺は大地にキスをされていた。
チュ、と短いキス。
仁
(初めて、大地と…キス…)
そう思ったら、ボワッと顔に熱が集まった。
大地
大地
…そういうとこだよ仁
そんな俺を見て、
大地は何かを我慢するように顔を顰めた。
大地
大地
そんなだったらさ、
こんな風に…
大地
大地
服の中とか、
触られちゃうよ?
仁
ひっ…///
耳元で囁きながらお腹の方から
タンクトップの中に手を入れられ肌をなぞられる。
それに思わず小さな声が出て身をよじる。
大地
大地
……気を付けないとだよ
大地は、横腹をつ〜っとなぞった後、
パッと手を離した。
大地
大地
さ、ごめんね仁。
もう寝よっか
大地はいつもの口調に戻ると
俺の上から退いた。
仁
(ここで、辞めるのか…)
キスをされてドキドキした。
耳元で囁かれてゾクゾクした。
服の中に手を入れられてなぞられて、
キュンとした。

もっと、もっと欲しいと思った。
仁
……
だから、俺は大地の服の袖を掴んだ。
大地
大地
え、仁…
仁
…やめるなよ…///
大地
大地
俺の小さな声に大地は目を見開いた。
きっと今の俺の顔は赤いんだろう。
それでも、
仁
あんな、
ハンパなとこで…///
せっかく進展しそうだったんだ。
我慢なんて、したくないしさせたくない。

いや、させない。
仁
……俺だけ、かよ///
そう言った途端、
切れてはいけない何かが切れる音がした。
大地
大地
……
仁
うをっ!?
大地は無言で近付くと、
グイッと起き上がっていた俺の腕を引っ張った。
仁
ちょ、おい!
大地
大地
…誘ったのは仁だよ?
せっかく無防備なの
許そうと我慢してたのに
仁
!///
そう言う大地の目は、
欲を孕んだ獣の目をしていた。

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